@Stanford Sloan "Change lives. Change organizations. Change the world."

@Stanford Sloan "Change lives. Change organizations. Change the world."

2012年7月よりStanford Graduate School of Businessへ留学中です。組織、社会に変化を起こせる人間へ成長すべく奮闘する30代オヤジの1年間を綴りたいと思います。

Sloan Class of 2013

Stanford GSBを卒業して以来、このブログもずっと放置してましたが、先日ふとした会話をきっかけに思い出しました。卒業から10年以上経過した今、その後の会社生活を振り返り、改めて留学がどのように役に立ったのか、書いてみたいと思います。


私は留学後、キャリアチェンジはせず、派遣元の会社にそのまま勤務しました。留学を経て、英語がマシになったり、視野が広がったり、という面は有ったとは思いますが、しばらくの間は留学で学んだ経営全般の知識を目に見える形で活かせるということは無かったと思います。


ただ、帰国後2-3年してから、ある欧米企業のM&A案件において、相手の会社とのシナジーを検討するチームのリーダーを任されました。その際、欧米企業らしく先方のメンバーはコンサル出身者が大多数で、ビジネススクールでの勉強内容が共通言語のような感じでした。留学経験が無いと対等に会話についていけなかったと思います。この時は、留学しておいて良かったと感じました。


その後しばらくは、また留学経験とあまり関係ない仕事をやっていましたが、ある時、東南アジア某国のCountry Headとして、現地法人の社長を任されることとなりました。4年間の赴任だったのですが、この際は留学経験が大きく役に立ちました。


ちょうど私の赴任時、駐在員事務所を法人化したので、私が初代社長ということになります。というと聞こえはいいのですが、会社の世帯も小さく人材も揃っていない中、法人として活動できるよう、不足している会社の仕組みやルール作りから始める必要がありました。また、日々の会計処理、資金手当なども含め、まさに社長として細かいことから全て見ないといけない立場となり、GSBで広く浅く経営全般の知識を学んだことがとても役に立ちました。


また、赴任した時、私はその国の仕事をやった経験も無く、更にちょうどコロナパンデミックが始まったばかりのタイミング、知り合いもほとんどおらぬ中、途方にくれたのですが、Stanfordのネットワークにはずいぶん助けられました。現地にクラスメートが数名いたことに加え、日本人の先輩後輩も数名いたことで、色々教えてもらい、また色々な人を紹介してもらい、さらにプライベートでの遊び相手としても、とても助けて貰いました。そのネットワークを核として、さらにネットワークがどんどん広がり、仕事でも大いに役立ちました。


またCounrty Headという立場ゆえ、ものすごくたくさんのパーティー、イベントに出席する機会がありましたが、この際に留学中の修行がとても役に立ちました。Stanfordでは、毎週のように開かれるTGIFをはじめパーティーの機会が多く、当時、英語が苦手、かつそんな場を経験したことも無い私には、何を喋れば良いのか、どう振る舞えばいいのか、ものすごく苦痛でした。しかし苦手だから逃げていてはダメだと思い、ほぼ欠席せず参加しているうちに、段々慣れてきて、場を楽しめるようになってきました。この経験があったからこそ、社交の場を活かしてネットワークを更に広げていく、ということに繋げていくことができたのだと思います。相変わらずそういう場は好きでも得意でも無いものの、避けて通れるものでは無く、やはり場慣れしているというのは非常に大事だと感じました。


以上が、私のキャリアにおいて、留学が役立ったこと、の主だったことですかね。やはり一番の財産は、多様性のある人の繋がりだと思います。留学をきっかけにできた人の繋がりは大きく、上記では仕事に関係のあることを中心に書きましたが、このような人の繋がりで、プライベートも含め人生が豊かになったと思います。まあ、どうしても留学しないと得られないことかどうかは分かりませんが、あくまで私のケースにおいて、今になって改めて感じていることということになります。これから海外留学を目指す方に、何らか参考になれば嬉しいです。