《本日のＤＶＤ鑑賞》

４月２０日のＷＢＣスーパーライト級王座戦では、前日計量を３．２ポンド（約１．４ｋｇ）オーバーした挑戦者ライアン・ガルシアが公開計量でビールを片手に秤に乗るというパフォーマンスをして（中身は水だったらしいが）試合には凄まじい左フックでデビン・ヘイニ―から３度ダウンを奪い判定勝ち。試合後には『もう１４０ポンド（６３．５０３ｋｇスーパーライト級）では戦わない。１４７ポンド（６６．６７８ｋｇウェルター級）に行くつもりだ。俺は厳密には１４０ポンドで戦ったことさえない。あらゆる減量方法を試してきたが、俺の身体はもう１４３ポンドを下回ることができない。それは不可能だ』 と話し、ウェルター級王者達の名前を上げている。

少し前には４団体スーパーバンタム級王者の井上尚弥選手に喧嘩を売るなど、奇行も目立ち心配されたが強さは本物だった。インスタグラムで１０００万人のフォロワーがいると云われる人気のガルシアだが、アマチュでは３勝３敗だった２階級制覇王者デビン・ヘイニ―を計量オーバーとはいえ圧勝した実力で次戦はどうなるのだろうか！？

ガルシアは２０１６年１月に時に全米ユース選手権に優勝し、その６月に１７歳でデビューをしている。

１９９８年８月にアメリカのカリフォルニア州で生まれるが、メキシコ移民の両親を持ち英語とスペイン語を使いこなす～弟のショーン・ガルシアもプロボクサーになるボクシング一家で、２０１４年１月の全米ジュニア選手権５７ｋｇ級は、決勝戦で後のＷＢＣライト級王者になるテビン・ヘイニーに判定負け～２０１５年１月の全米ユース選手権でも、１回戦で後のＷＢＣウェルター級ゴールド王者になるバージル・オルティスＪｒには勝利も３回戦でテビン・ヘイニーに判定負け～しかし、２０１６年度のユース選手権は６０ｋｇ級で優勝などアマチュア２１５勝１５敗。

２０１６年６月に、メキシコのアメリカとの国境の町ティファナでデビューしエドガル・メサを１ＲでＫＯする～さらにメキシコで３連勝２ＫＯして、２０１６年８月からはアメリカで４連勝４ＫＯする～２０１７年５月に、タイロン・ラッキーを２ＲにＴＫＯで降す。

７月にも、日本で亀田興毅さんのＷＢＡバンタム級王座に挑戦したマリオ・アントニオ・マシアスを１ＲでＫＯする。

そして、初の王座戦となるＮＡＢＦ北米スーパーフェザー級Ｊｒ王座決定戦で対戦するのはメキシコのミゲール・カリゾザ！

メキシコのソノラ州ノガレスで生まれたミゲール・アンヘル・カリソサは、アマチュア歴は少なく２０１３年２月に地元ソノラ州でデビューしてカルロス・バルメアに１ＲでＴＫＯ勝ち～さらに５連勝も、２０１４年１０月にアベル・クルス・メンドーサに判定敗け～２０１５年３月に再起して４連勝１ＫＯも、２０１７年６月にマイケル・ダッチオーバーに判定敗け。

２０１７年９月１５日　ＮＡＢＦ北米スーパーフェザー級Ｊｒ王座決定戦　ライアン・ガルシアｖｓミゲール・カリゾザ

ライアン・ガルシア　１０勝９ＫＯ無敗

ミゲール・カリゾザ　１０勝２ＫＯ２敗

１Ｒ、自信満々のガルシアが、スタスタと近づいていき左を伸ばす

さらにガルシアがガンガン攻め、得意の左フック～カリゾザも振り回して返していく！

しかし、ガルシアはバックステップでかわす～右ストレートカウンター！

まともに貰ったカリゾザは、崩れ落ち早くもダウン！

立ち上がったカリゾザに、ガルシアは狙いすまして左フック！

崩れたカリゾザに、レフリーはカウントを取らずにストップする！ガルシアはコーナーに駆け上がり吠える！

わずか１Ｒ３０秒でライアン・ガルシアがTＫＯ勝ちで、ＮＡＢＦ北米スーパーフェザー級ジュニア王座を獲得！一瞬の踏み込みからの左フックなどは、マネージメントで組むオスカー・デラ・ホーヤよりもフロイド・メイウェザーを彷彿する切れ味。身長が１７４だの１７８ｃｍだの云われるガルシアだが、かなり細身でスーパーフェザー級でも苦しくなるのがみえる。

バッタバッタと倒しまくりハイペースで試合をするガルシアの次戦は、わずか１ヶ月と２週間後の２０１７年１１月２日にセサール・アラン・バレン・スエラとＮＡＢＦ北米スーパーフェザー級ジュニア王座の初防衛戦で対戦。３敗目となってしまったミゲール・カリゾザは、１１ヶ月後の２０１８年８月にメキシコで再起しイスラエル・ロペスを２ＲにＫＯする。

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