《本日のDVD観賞》
先日、居酒屋で「なぜ格闘技はロープが4本なの!?」と話になり、プロレスが3本なのであってキックやMMAの4本が普通だろ!?と、いう話になった。当然、落ちにくいように4本のロープで広がらないようにコーナーとコーナーの間に縦にとめている。逆にプロレスなどは場外乱闘や、ロープの間から場外にトペスイシーダなどの為にも3本なのだろう。しかし、3本と4本のどちらが最初なのかと云えばボクシングも最初は3本で、1962年3月に世界ウェルター級王者のベニー・パレットがエミール・グリフィスとのM・S・Gで3戦目に連打でロープの間を身体が抜けて鉄柱に頭を打ち脳内出血で死亡してから4本のロープになったらしい。
キューバ出身のベニー・パレットとヴァージン諸島出身のエミール・グリフィスのラバーマッチは、世界王座を取って取られての熱戦だったらしかったが3戦目で悲劇が起きてしまった。キューバ革命前にプロになった選手なので、ギジェルモ・リゴンドーやエリスランディ・ララのようにボートで亡命などではなくニューヨークで闘っていたのだろう。
東京オリンピック金メダリストのアンディ・クルスも亡命してプロになり、デビュー戦でIBFインターナショナルライト級王座を獲得するなど2024年には世界挑戦もあるだろう。
史上最強のアマチュアボクサーと呼ばれ3大会連続でヘビー級金メダルを獲得したキューバのフェリックス・サボンなどもプロに転向していたらどうなっていたのだろう。そして、サボンとの比較でもよくでた1972年ミュンヘン五輪~1980年モスクワ五輪までヘビー級で3連覇したテオフィロ・ステベンソンなどもプロに転向したらどうだったのだろうか!?
現代でも元WBAヘビー級暫定王者のルイス・オルティスなどヘビー級ながらテク二シャンのヘビー級がいるキューバ人だが、やはりヘビー級でありながらテクニックとスピードで‘閃光‘のニックネームを持つキューバ人がフランク・サンチェス!
1992年7月にキューバのグアンタナモで生まれた‘The Cuban Flash(キューバの閃光)‘フランク・サンチェス・フォーレは、アマチュアボクシング大国のキューバだけに2011年キューバ選手権準優勝~2012年キューバ選手権ベスト4~2013年キューバ選手権ベスト4~2014年パンアメリカ大陸優勝~2014年キューバ選手権ベスト4~2015年キューバ選手権準優勝など世界より厳しいと言われるキューバ国内で活躍。
多くのキューバボクサー同様に命からがら亡命して、2017年9月にアメリカのルイジアナ州でデビューしてジェイソン・ソーントンを1RにTKOで降す~さらに5連勝5KOするも、2018年5月にレイモント・ケイパーズと対戦もロープの外に落ちてしまい無効試合~1ヶ月も経たずに復帰して6連勝4KO。
そして、初の王座戦へ挑む!対戦するのはキューバとはライバル関係にあるプエルトリコのビクトル・ビスバル!
プエルトリコのポンセで生まれたビクトル・J・ビスバル・メレロは、15歳でボクシングを始めて弟のヘラルド・ビスバルもボクサー~2002年中米カリブ海選手権金メダル~2003年のパン・アメリカ大会でベスト4に入り、2004年アテネ五輪に出場。2005年1月にアメリカのフロリダ州でデビューして、ダグラス・ロバートソンに判定勝ち~さらに4連勝4KOするも、2006年4月にドモニック・ジェンキンスに2RでKO敗け。
直ぐに再起し16連勝11KOして、2013年3月にマゴメド・アブドゥサラモフのUSNBC全米ヘビー級王座に挑戦も5RにTKO敗け~ブランクをつくり、2015年3月に再起もドミニク・ブリジールに4RでTKO敗け~2016年6月に再起し、フランク・モーラに5RでTKO勝ち~2018年12月に、エドソン・ロバート・ドス・サントス・ボルヘスに1RでTKO勝ちしてWBO中南米ヘビー級暫定王座を獲得。
体重はサンチェス100kgなのに対し、ビスバルは130kgと有利なのか動けるのか!?トップアマチュア同士の隣国対決!キャリアのビスバルか!?無敗の勢いのサンチェスか!?
2019年8月31日 NABO北米ヘビー級王座戦 フランク・サンチェスvsビクトル・ビスバル
フランク・サンチェス 12勝10KO無敗1無効試合
ビクトル・ビスバル 23勝17KO3敗
1R、サンチェスが左を伸ばす~ビスバルも、身体の割にスピーディーな左を伸ばす
サンチェスの踏み込み速く、思いっきり右を振りまくる!
サンチェスが、ハンドスピードを生かし攻める~ビスバルをロープに追い込み、左フックから右ストレート!
2R、ビスバルが、ジャブを打ちながら突進~サンチェスはカウンターの右を狙う!さらに右を振りまくる!
突っ込んでクリンチのビスバルに、サンチェスは距離を取りながらワン・ツーで飛び込む
カウンターを狙いにきたビスバルに、サンチェスは慎重ながら右ストレートで飛び込む
3R、ゆっくりと突っ込んでくるビスバルに、サンチェスは廻りながら右を狙う
サンチェスから入っていきボディー~離れても、素早いステップからワン・ツーをボディーへ!
打てば、カウンターを狙われるビスバル~サンチェスがワン・ツー連打で追い込む
4R、動けないビスバルに、サンチェスがジャブを入れながら狙いを定める
動きが止まったビスバルに、サンチェスがスピードある動きから右ストレート!
なんとか手を出そうとするビスバルも、サンチェスに狙い打たれる!
ビスバルも右ストレートを返すが、サンチェスが連打から右!
ビスバル効いた!サンチェスが連打で極めにいくが、ビスバルは必死にクリンチ
なんとかラウンド終了も、インターバル中にビスバル陣営からギブアップ!
見事に4R終了時TKOで、フランク・サンチェスがNABO北米ヘビー級王座を獲得!ヘビー級ながらもサンチェスはスピードがあり、4連続KOで初の王座獲得となる。キューバというと、もうちょい柔らかいボクシングをするのかと思ったがそこはヘビー級。ガンガン右を振りまくって体重の差など関係なしに押し切った。
そして無敗のサンチェスの次戦は、早くも2ヶ月後の2019年10月にベルギーのジャック・ムロワイとNABO北米ヘビー級王座の初防衛戦。3敗目となってしまったビスバルは、5ヶ月後の2020年1月に同じくアテネ五輪に出場したデビン・バルガスと対戦もローブローを連発して反則敗け。
★キューバだけにサンチェスのセコンドにはイスマエル・サラスの姿も 格闘技blogランキングをクリック⇒格闘技 ブログランキングへにほんブログ村