働き方改革の柱は、現在は青天井となっている医師の残業時間に上限を設けること。
原則として年960時間が上限となり、違反すれば病院に罰則が科される。長時間働く医師を指導するなど、医療機関に健康管理も義務づける。
医師が疲労を抱えたままでは、注意力が落ち、医療ミスが生じかねない。医師の働き過ぎを防ぐことは、医療機関の責務である。
一方、地域医療を担う病院の医師や研修医らは、例外的に上限を年1860時間とする。医師の確保が難しい地方の事情や、技能を身につけたい若手の希望に配慮するためだという。だが、この上限は月155時間の残業に相当し、月80時間の「過労死ライン」を大きく上回っている。
過酷な労働を追認する基準で、これでは医師の健康を守れるのか疑問が拭えない。
厚労省の調査では、病院の常勤医のうち、2022年の残業が年960時間超だった医師は21%、年1860時間超は4%だった。いずれも2019年より半減したものの、なお一部の医師に過重な負担がかかっている。
見過ごせないのは、夜間や休日に医師が待機する「宿日直」を勤務時間から除外しようという動きが広がっていることである。「宿日直」の業務は病院ごとに大きく異なり、多忙の病院では医師にとって大きなストレスとなっているが、この時間を労働基準法の特例扱いで勤務時間から除外する許可を申請する病院が増えている。
さらに、勉強会への参加や論文作成などにあてた時間は「自己研鑽」と位置づけ、労働時間に含まない慣行もある。
こうした運用を改めなければ、医師の働き方改革は形骸化しかねない。
近年、勤務が不規則な救急や産科などの診療科は敬遠されがちだ。都市部への医師の集中も長年の課題だ。
勤務医の待遇改善や医学部の定員増も含め、政府は総合的な対策を検討する必要がある。
私の場合、救急搬送とは言えども頭はしっかりしていて左膝複雑骨折以外は重傷とは言えず、救急大部屋の隅っこに寝かされて医師診察の順番待ちをするのですが。 取り急ぎ脳波CT検査がありそれの異常が無かった様子で、19時頃に運び込まれてから、医師の診察を受けることが叶ったのは夜の10時過ぎだったでしょうか。 その後も看護師による応急措置や諸検査があり、骨折1か所の場合は自宅に戻されるとのことで、結局慣れない松葉杖にて自宅に戻れたのは夜中の2時を過ぎていました。
あの時一番に感じたのは、やはり医師不足の実態です。 まさに気の毒なほどの医師先生の過重労働を目の当たりにして、これじゃあ医師先生の身が持たない、何とかせねば!!と痛切に考えさせられたものです。