小林製薬が発売した紅麹を含む「紅麹コレステヘルプ 」など、機能性表示食品として国に届け出た3商品を摂取した消費者は、延べ1541人が医療機関を受診し、延べ270人が入院、5人が死亡した。
(小林製薬のHPから借用)
報道によると小林製薬の「紅麴コレステヘルプ」は、「悪玉コレステロール」を下げるかもしれない機能性表示食品として2021年4月に発売され、24年2月末までに約110万袋が販売された。
紅麹自体は食品の着色料の一つとして長期の販売実績があるが、今まで健康障害の報告はなかった。健康被害は最近の製品に限られる。だから、紅麹自体が問題なのではなく、「紅麴コレステヘルプ」の製造過程に最近なんらかの問題が生じたものと考えられた。
当初想定された腎障害のある異物シトリニンは検出されず、プベルル酸が混入していたとされるが、どのような過程で混入したのか、プベルル酸が腎障害の原因であるかはまだ分かっていない。
小林製薬のHPによると、「紅麴コレステヘルプ」は10日分1000円程度で発売されている。
製品の説明事項として以下が記載されている。
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●本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
●本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
●本品は、疾病に罹患している者、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む)、及び授乳婦を対象に開発された食品ではありません。
●疾病に罹患している場合は医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。
●体調に異変を感じた際は、速やかに摂取を中止し、医師に相談してください。
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製造業を中心に企業が関連する不正や隠蔽は現社会では頻回に生じている。しかしながら、今回の紅麹サプリメント問題は直接利用者の健康に関するもので、死者も出ていることから小林製薬の対応の是非が問われ、原因物質の検討、被害者の救済が急がれている。