福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

日本の人口問題2024(18) 国立社会保障・人口問題研究所が将来推計発表(2)

2024年04月27日 10時29分37秒 | 時事問題 社会問題
 民間有識者でつくる「人口戦略会議」は、全市区町村の4割にあたる744自治体がいずれ、人口減によって行政の運営が困難になり、「消滅する可能性がある」とする報告書を公表した。

 こうした報告書は10年前にも示された。今回は「消滅可能性自治体」の数が前回調査から152ヶ所減少した。だがその理由は、地域の問題点が解消されるのではなく、労働目的の外国人が増えるためで、日本人人口の改善によらないというもの。

 「消滅可能性」の根拠として、出産の中心世代とされる20-39歳の女性人口が今後、50%以上減ることを挙げている。単純に考えれば、日本の人口1億人を維持するのに現在1.2ほどの出生率が2.0以上なくてはならないが、それが4.0ほどにならなければ維持できないということである。実現不可能、対策は子宮の輸入しかない。

 日本の総人口は近年、60万人前後のペースで減っている。島根県一県が消滅するのに等しいほどの速度である。2100年には6277万人に半減するとされる。
 現在29%の高齢化率は40%に達し、経済は縮小し、食糧生産は落ち込み、介護や防災など行政機能の維持も難しくなる。いや、それ以上に国を維持するための防衛力すら維持できなくなる。

 結婚や出産は、個人の意思が尊重されるべきだ。ただ、経済的事情などで結婚や出産の希望が 叶わないのであれば、一部のケースについては支障を取り除くことにはなるだろうが、実際の原因は経済の問題にあるのではない。

 人間としての、生物として情感が乏しくなっていることが主因になっているのではないか。

 現在、政府は少子化対策に必死であるが、私から見て隔靴掻痒の感は拭えない。政府が力を入れているのは、少子化対策に直接影響する施策ではなく間接的効果しかない子育て支援対策である。
 今までの少子化対策があまりにも稚拙であったために出生率はここまで落ち込んできたが、こんな政策ではいくらお金かけても出生率は向上しない

 日本の出生率、出生数は婚姻の数に比例するという特徴がある。若い世代の結婚を後押しするために若者の経済状況が潤わせなければならない。それは大事だがすぐにできるわけではない。母子家庭・父子家庭も安心して子育てができる社会環境の整備が必要である。
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日本の人口問題2024(17) 国立社会保障・人口問題研究所が将来推計発表

2024年04月26日 05時07分30秒 | 時事問題 社会問題
 民間組織「人口戦略会議」は4月24日、744自治体を「消滅可能性自治体」と指摘する新い報告書を公表した。

 10年前に全国896自治体が消滅する可能性があると警鐘を鳴らし、政府の「地方創生」政策の起点となった「増田レポート」と言われる推計の公表から10年経過した。速いものである。
(2014年出版された推計レポート 本は売れたが社会の改変にはあまり役立っていない)

 10年前は言葉が一人歩きし、まるで過域が消え去るような誤解が広がったが、人口減少問題に関心がある私から見て、この10年間でいい意味で変わったことはほとんどない様に思われる

 今回の報告は独自のデータ処理はなく、国の機関の推計をそのまま当てはめた。

 「地方消滅」とはインパクトが大きい言葉である。「消滅」という言葉を使ったことにも批判がある。地域に住民が住んでいる間は具体的に「消滅」するのではなく、人口減少のために自治体運営が立ち行かなくなる可能性を指したもの。具体的「消滅」ではなく機能的消滅を指す。現に「小学校廃校・統合」「消防の広域化」「ローカル線の廃線」「バス路線の廃止」「秋田県の二次医療圏の統合」などなどは人口減少のために自治体運営が立ち行かなくなってきているの証左である。

 10年前に「消滅」の言葉に浮足立った自治体は、「地方創生」の下で各地の将来像を急ぎ足で描くよう迫られ、人口減の緩和に向けた競争に駆り出れた。結果的に人口減防止対策や人口減に適応した社会の模索を求めるはずが、若者の奪い合いといった形が目立ち、人口減対策としてはむしろ後退したケースも目立つ

 その判断の唯一の論拠は、地域の20-39歳の女性が将来半分以下になるとの推計だ。当然である。その判断は正しい。
 人口減対策の唯一の方法は「生きのいい、若々しい子宮の輸入」しかない。

 各市町村ごとの人口推計は誤差がきい。実際、2014年時の増田レポートが描いた来像とその後10年の現実に乖離が生じた例は少なくない。そんなことは当然のことである。そんな些細なことを問題にする必要はない。

 増田レポートの言わんとする根幹は私は正しいと思う
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季節の話題2024(6) 桜を愛でる気持ちが乏しくなった

2024年04月25日 02時50分34秒 | 季節の話題
 桜を私は自分独自の季節の変わり目の花として捉えている。
 簡単にいえば除雪から解放された日が春の訪れであり、桜が散ったあたりから夏が始まる。

 秋田地方気象台は4月10日秋田市の桜の開花を発表。平年より7日早く、これまでで最も早かった去年より6日遅い。

 私の通勤路脇の桜もほぼ満開、通るたびに季節感を味わっているが連日徒歩で通勤し蕾の状態を見ていた時よりも感激は薄い。今はバスとか家内に同乗して通勤していて桜の蕾の状態を近くで観察することはほとんどなくなった。

 便利なもの、特にスピードが速い移動手段は周辺の事象に対する感受性を疎くする大きな原因の一つである。そういう意味ではせいぜい自転車移動が身近な自然を味わうのにちょうど良いレベルだ、と思う。

 4月14日の週、秋田市内千秋公園の桜が満開を迎えた様である。
 秋田に来た1973年(昭和48)頃は市内の桜の満開は4月下旬頃であった様に思う。ここ数年この時期はとても暖かく、開花・満開が総じて早くなってきている。もう今日の段階でパラパラと散り始めている。私に夏が来る。

 千秋公園は例年であれば桜祭りが行われる。屋台が出たり観桜会などが開催される。今年は4月14日の日曜は午後に出勤したのであるが、通勤路は千秋公園に向かう人たち、あるいは帰る人たちで賑わっていた。

 私の体調も今ひとつであと何回観桜できるかわからないが、桜開花に伴う気持ちの高揚も中途半端である。それに人混みがストレス。

 15日月曜日は健康クリニックのドック担当日であったが、年度初めということもあって受診者はいつもの半数程度で11時頃には業務が終了した。
 千秋公園は健康クリニックから徒歩で15分くらいの距離なので行ってみた。月曜ということで人出は少なかった。またいつもなら広場周辺にずらりと並ぶ屋台も半分程度であった。昨日の状態は見なかったが、もう他の満開の地域に早々に移動したのかもしれない。

 千秋公園の桜は一般的に花勢が乏しい。老木のためなのだろうか?
(4月15日月曜午前の千秋公園広場の様子)

 私は夏が好きであるが、近年の夏は快適を通り越して苦痛なほどの猛暑、酷暑である。今年はどうなるのか、不安半分、楽しみ半分である。
 


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季節の話題2024(5) 目を和ませる小さな花たち

2024年04月24日 02時50分34秒 | 季節の話題
 花の季節である。同時に園芸作業も始まった。

 なんで花は美しいのか?のために美しいのか??私の疑問はまだ解けていない。
 今私たちが愛でる花々は種々改良の手が入っている。いわばヒトが自分達が楽しむために一層綺麗に改良されている。
 しかしながら、人間が現れる前にも多くの花の原種があったはず。その時代にも花は美しく咲いたであろう。花の目的は受粉にある。受粉作業を担ってくれる小動物たちに目立つように種々の姿で咲いたであろうが、これほど美しく多彩な姿である必要はあったのだろうか??果たして彼らには美的意識はあったのだろうか??疑問である。

 これから木々・草木は緑に萌え、種々の花々が次々と開花する。
 いい季節になったが、それ以上に萌え上がる「名も無い草たち」との対話が始まる。
 明日は天気がいいようだ。今季初の草刈を始めようか。




(庭先の小さな花たち 名前など思い出せないが目を和ませてくれる)
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季節の話題2024(4) 木蓮・椿の咲き様、散り様

2024年04月23日 04時11分13秒 | 人権問題
 4月も下旬になると花の季節である。同時に園芸作業も始まった。
 わが家の木々、草花は、2週前に咲いた「うめ」を嚆矢として、先週になってから「桜」、「椿」、「もも」、「こぶし」、「水仙」、「ムスカリ」などの花が満開となり、一気に華やかになった。

 なんで花はキレイに咲くのか?誰のために??私の疑問はまだ解けていない。

 我が家で最初に咲いて目立つ花は雪がある状態でも開花する真っ赤な椿、ついで白い木蓮である。
 今年は両者ともに花勢が強かった様に思われる。花は力強く見事に咲き、地面に花弁を散らした。
(椿の咲き様、散り様)

 椿は花ごと落花する。一気に落下するのではなく長い時間をかけて徐々に落下する。
 椿は首が落ちる姿を連想させるので、縁起が悪いとして武士に嫌われたという説があるが、実際は椿は武士の間で愛好されていたようだ。
 なお、武士にとって、切腹は武士の体面を保てる名誉の死だったのに対して、打ち首は不名誉な死であった。だから、武士は椿を嫌ったという俗説が生まれたのかもしれない。ただ、私は花ごと落花する椿が好きだ。
 
 一方、木蓮は一気に開花したのち後、比較的短時間に花弁がバラバラに落下して花としての時期を終わる。ある意味ではソメイヨシノの咲き方、散り方に似ている。
(隣家が見えなくなるほどの花勢で一気に咲いた木蓮 1週間後花びらが散り散りに落下する)

 桜などが一面に散りしく様を筵にたとえて花筵などと風流に表現される。しかしながら、木蓮の花弁は姿形が大きく、散った後も十分に水分を含んでいる。だから不用意に踏むと滑って危ない。要注意である。また、それが乾くと茶色に変色し汚れた雰囲気になるもの惜しい。

 これから木々草木は緑に萌え、種々の花々が次々と開花する。





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季節の話題2024(3) アマリリス

2024年04月22日 04時56分17秒 | 季節の話題
 2024年、県内は記録的な暖冬少雪となった。1、2月は県内各地で平均気温が観測史上最高を記録し、降雪量は平年を大きく下回った。

 私はこの数年、一鉢のアマリリスの世話をしてきた。
 アマリリスは熱帯原産の植物。昨年も花が咲いたが球根が巨大化し鉢が狭くなったのかなんとなく花に勢いが感じられなかった。葉も緑と言うよりは黄変しかかっていた。

 分株が必要と判断し、花が終わり花梗が枯れた6月下旬思い切って球根を3分割した。何か資料を参照した訳ではなくダリアの分球の経験を参考に適当に分割した。初体験だし上手く発芽するかわからなかったが、夏の強い日差しを木陰で避けながら維持した。秋になって緑色の葉が生え始めうまく生着したことが確認できた。

 アマリリスは通常5月の半ば、日ざしも強まる初夏のころ緑色の蕾を覗かせる。花梗は日ごとに力強く伸び、やがて子どもの顔を隠すほどの大きな花を咲かせ、見る人を魅了する。

(見事な花を咲かせたアマリリス 通常は5月に咲くのであるが3月上旬に開花した 分株の影響か、暖冬のせいか 設置場所の環境せいか??)

 春植え球根として扱われているアマリリスは、原産地は熱帯アメリカで、約80種の原種がある。日本への渡来は江戸時代の天保年間に原種が入り、改良が行われた、とされている。熱帯植物なので、生育初期は暖かく保って生育促進をはかり、十分に肥培管理して球根が大きくなるようにすると、毎年花が咲く。

 花が終わり花梗が枯れると、葉が展開を始め、1カ月に約2枚の割合で増えるので、日当たりのよい場所に置いて十分に光を当てる。一方、日光に長く当てると葉焼けを起こすので、9月中旬頃までは約50%遮光して葉焼けを防ぐ。
(4月下旬のアマリリスの状態 葉が展開し天井にまで届きそう 葉の色は深い緑で活力を感じる)

 私はアマリリスやハイビスカスなどの南洋の花に、女性の唇に似たエロティシズムを感じる。だから好きなのだ、と思う。

 越冬は鉢ごと凍らない場所に置くと安全。

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季節の話題2024(2) 我が家は除雪6回 秋田は暖冬少雪であった

2024年04月21日 04時40分24秒 | 季節の話題
 2023-2024年の昨季、県内は記録的な暖冬少雪となった。
 1、2月は各地で平均気温が観測史上最高を記録し、降雪量は平年を大きく下回った。

 気象庁の異常気象分析検討会によると、今冬の暖冬少雪は地球温暖化に加え、南米ペルー沖の海面水温が上がるエルニーニョ現象の影響とみられる。温暖化に起因しており、今後も起こる可能性がある。

 今冬の平均気温は、秋田地方気象台の26観測地点のうち1月が15地点、2月が13地点で史上最高を記録。
 2月の累積降雪量は、由利本荘市で12cm(平年比12%)、秋田市では20cm(25%)にとどまり、豪雪地の湯沢市でも30cm(15%)、横手市は57cm(28%)だった。

 スキー関係業界ではリフトの稼働日が例年の半分ほどにとどまったスキー場もあり、営業を予定より早く終了した所もあった。

 雪不足は小正月行事も直撃した。
 美郷町六郷の「竹うち」は打ち手の安全を確保できないとして中止、横手市の「かまくら」は、羽後町や東成瀬村の山間部などから計700トンの雪を集めて行われ、湯沢市の「犬っこまつり」は雪像の数を減らさざるを得なかった。

 今冬の暖冬少雪は4季ぶり。確かに2020年の降雪は今年よりも少なかった。気象庁ではこの傾向は今後も続く可能性がある、という。

 私は自然界の動きを重視してきた。
 最近の小雪傾向は地球環境の乱れ、温暖化の影響の結果だろう。対策はいろいろ考えられている様であるが効果的対策が取られているとは言えない。現に地球上の平均気温は上昇傾向にある。

 個人的には自動車の使用を控えるなどちっちゃく省エネ対策に参加しているつもりである。しかし暖房、入浴などの面では十分配慮しているか?と問われれば自信がない。

 私は冬季の除雪についてはかなりストレスを感じている。この14年間の除雪機稼働回数は0−21回とバラバラであるが平均9.7回で、2013年以降は減少傾向にあり、本音を言えばとても嬉しい。

 一方、こんなに小雪だと春の農業用の水の不足、夏の渇水など大いに気になるところである。



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季節の話題2024(1)  「いくたびも 雪の深さを 尋ねけり」正岡子規に共感する降雪の朝

2024年04月20日 04時40分24秒 | 季節の話題
 恒例の1月末日時点の除雪機稼働回数比較する時期が来た、というか大幅に過ぎた。

 2023−2024年の昨季は秋田地方は雪がとても少なかった。

 私は勝手に冬の訪れ日を初除雪の日と決め、冬の定義を「除雪が必要になった日から不要になった日」の間にしている。

 昨季の冬の訪れは2023年12/18(月)。積雪4cm程度と少なかったがさらに降る予感があったのでざっと一往復ながら除雪機による除雪第1回目を行った。

 私の生活は、狭くて長い我が家へのアクセス道路、私はそれを「胎盤・臍の緒道路」と呼んでいるが、50m以上あり、ここの除雪が悩みである。40年来やって来たが結構大変で手動ではほとんど不可能である。除雪機は10年もの1台と40年もの2台あり、後者はバックアップ用に残してある。

 結局12月中に18日から24日までの間に5回除雪した。こんな短期間に5回も集中的に除雪した経験はなく先のことが危惧されたが、年末以降は降雪が少なく1月16日に6回目を行った後除雪機稼働はなかった。

 まだそんな経験ないが、ちょっとでも手抜きすると生活用品が届かなくなり得る。例えば、郵便物、宅急便、牛乳の宅配、灯油の宅配、宅配スーパーへの注文商品、タクシーなど。
 だから雪の季節は健康に注意し、緊張して朝を迎える。降雪がある日には早朝何度も状況を確認し除雪をどの程度するか考慮する。正岡子規に「いくたびも 雪の深さを 尋ねけり」という作品があるがその気持ちは共感できる。

 私の生活は冬の除雪を中心に季節が回る。
 私は毎年1月末日の段階での我が家の除雪機稼働回数を取り出して比較している。
 その回数をグラフで示すと以下の如くとなる。

 
 (年別除雪機稼働回数とグラフ 昨年と同じ画像 今季分は追記していないが6回であった)


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第121回日本内科学科総会2024(3) テーマ:ひとをみる、おしえる、実行する

2024年04月17日 08時34分33秒 | コラム、エッセイ
 以下の講演を聴講し、認定更新資格を得た。演題名だけ記録しておく。
 気づかないまま試聴していたが、結果的に随分多項目を視聴したものである。各々は素晴らしい内容であった。詳しい記録集は後に日本内科学会誌に掲載されるからその時再勉強するつもりである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1. 会長講演
自己免疫疾患の克服をめざしてーーー全身性エリテマトーデスと抗リン脂質抗体症候群

2. 特別講演
地球の健康、社会の健康、人間の健康

3. 招請講演
1) 骨・ミネラル代謝異常症の病因, 病態と治療
2) オンコネフロロジー: 腫瘍学と腎臓病学の接点
3) 腸内細菌と心血管疾患
4) 感染症診療における遺伝子検査の展開
5) アルツハイマー病治療法の進歩

3)シンポジウム:高齢者医療の抱える課題とその対策
(1) 多病・ポリファーマシー
(2) 高齢者の多様な認知症とその対応
(3) 高齢者診療におけるフレイル、サルコペニアの意義を考える
(4) 地域包括ケア・地域づくりの視点から
(5) エンドオブライフケア

教育講演
6) 抗がん薬の消化性副作用とその対策
7) 慢性骨髄性白血病の治療の進歩
8) 筋炎診断の最前線
9) 二次性心筋症の診断と治療の進歩
10) 難治性肝・胆道疾患診療の進歩
11) 悪性リンパ腫の治療の進歩
12) 消化管がん薬物療法の進歩
13) 急性冠症候群の急性期治療
14) ベーチェット病の新たな展開
15) COVID-19の総括
17) 脂質異常症治療の最前線
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第121回日本内科学科総会2024(2) 

2024年04月16日 08時16分34秒 | コラム、エッセイ
 私は日本内科学会総会の講演会が大好きである。
 この学会は毎年4月上旬の週末、3日間にわたって開催される。

 業務の関係、COVID-19蔓延もあって、この数年はご無沙汰していた。私の記録では2019年の、名古屋市で開催された第116回総会が最後の出席となっている。もう4年も欠席した。

 10年ほど前、日本血液学会などの専門領域の指導医、認定医資格、会員資格も返上した。しかし、最も基礎的な資格である内科学会の認定医は内科医として働いている以上失う訳にはいかない様である。

 昨年3月に学会事務局から「認定医の更新点数がゼロ点ですので要注意」との連絡がきた。認定医は2025年春まで有効であるが、それを更新するには前回と今回の学会に続けて参加する必要があった。
 
 もう歳だし、認定資格などいいじゃないか?? それで迷ったのであるが、今年もWeb聴講で参加とした。

 他の学会の状況は知らないが、日本内科学会総会のWeb配信は私にとって以下のメリットがある。
―――――――――――――――――――――――――――――――-
●業務を休んで会場に出かける必要がない。
●Web配信による聴講は参加費+聴講費として1万円のみ。
●移動時間、移動のための経費、宿泊経費が不要で病院への負荷もない。
●オンデマンド講演の視聴は翌朝から2週間ほど配信される。時間に追われず好きな状況で好きな時間帯に視聴できる。
●オンデマンド講演は録音・録画も可能で内容をじっくり検討出来る。
●会場の混雑、嫌な人物にも会わずに済む。
●などなど・・・

―――――――――――――――――――――――――――――――-
 いい時代を迎えたものである。
 COVID-19がもたらした変革である。高齢の私にとって最高である。
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第121回日本内科学科総会2024(1) COVID-19がもたらした恩恵、Web参加の道

2024年04月15日 10時35分50秒 | コラム、エッセイ
 私は日本内科学会総会の講演会が好きである。

 医師になってから今年で53年になるが、本学会には40回以上は出席してきた。会場で座しているだけで広範な領域にわたって最先端の講演を聴講できる。そのほかに学会認定医資格の更新が自動的に得られるというメリットがあった。

 かつては学会は学会長の地元で開催されることが常であったが、最近は地方都市で開催されることは稀で、学会長が全国どこの大学であっても大都市圏で開催されるようになった。確かに、鹿児島や旭川などの地で開催された場合は、交通アクセスの面、宿泊の確保面などが大変であった。

 私は超ものぐさで、かつ出不精、旅行嫌いであるが、この学会および日本血液学会、臨床血液学会だけはこまめに訪れていた。
 私の旅行歴のほぼ全ては学会関連で、四国・沖縄を除くほぼ全ての都道府県にわたっている
 かつては学会の合間を縫って各都市の美術館巡り、名所巡りもしたことがあった。京都の寺院、長崎、広島の原爆記念館などなど。

 しかし、50代頃からは業務が過剰になり、学会期間は休息を兼ねてホテルに篭りっきりで読書で時間を費やすようになった。

 その学会の状況に変化が出たのは2020年の総会からである。

 COVID-19が蔓延し、緊急事態宣言が出され会場への出席が難しくなった。この年以降、Webでの聴講も可能となったが、私の認定医更新に余裕があったため参加を見送っていた。

 2022年も同様の状況であったが、家内の認定医更新に必要な点数が不足するために第119回総会はWebで参加した。

 家内は超真面目人間。学会期間3日間に加え前泊するから、業務の代行を担う私にとっても大変で、この点Webによる学会参加はリアルタイム聴講、オンデマンド聴講が可能でとても便利であった。

 移動する必要がなく、飯川病院の院長室でパソコンモニターで講演を規定の5時間以上聴講し、家内は更新認定が得られた。

 Webで参加は技術的に私の援助が必要であり、私も側で聴いていてとても勉強になった。

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医師の働き方改革(2024)(7) 小括

2024年04月12日 06時43分45秒 | 医療、医学
 働き方改革の柱は、現在は青天井となっている医師の残業時間に上限を設けること。
 原則として年960時間が上限となり、違反すれば病院に罰則が科される。長時間働く医師を指導するなど、医療機関に健康管理も義務づける。

 医師が疲労を抱えたままでは、注意力が落ち、医療ミスが生じかねない。医師の働き過ぎを防ぐことは、医療機関の責務である。

 一方、地域医療を担う病院の医師や研修医らは、例外的に上限を年1860時間とする。医師の確保が難しい地方の事情や、技能を身につけたい若手の希望に配慮するためだという。だが、この上限は月155時間の残業に相当し、月80時間の「過労死ライン」を大きく上回っている。
 過酷な労働を追認する基準で、これでは医師の健康を守れるのか疑問が拭えない。

 厚労省の調査では、病院の常勤医のうち、2022年の残業が年960時間超だった医師は21%、年1860時間超は4%だった。いずれも2019年より半減したものの、なお一部の医師に過重な負担がかかっている。

 見過ごせないのは、夜間や休日に医師が待機する「宿日直」を勤務時間から除外しようという動きが広がっていることである。「宿日直」の業務は病院ごとに大きく異なり、多忙の病院では医師にとって大きなストレスとなっているが、この時間を労働基準法の特例扱いで勤務時間から除外する許可を申請する病院が増えている。

 さらに、勉強会への参加や論文作成などにあてた時間は「自己研鑽」と位置づけ、労働時間に含まない慣行もある。

 こうした運用を改めなければ、医師の働き方改革は形骸化しかねない。

 近年、勤務が不規則な救急や産科などの診療科は敬遠されがちだ。都市部への医師の集中も長年の課題だ。

 勤務医の待遇改善や医学部の定員増も含め、政府は総合的な対策を検討する必要がある。
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医師の働き方改革(2024)(6) 無給医という身分もあった

2024年04月11日 05時49分02秒 | 医療、医学
 「無給医」とは、無給で働く医者のこと。
 私は純然たる「無給医」の経験はない。

 無給医には大別すると以下の3タイプがある。
1. 「無給でも、良い環境のもとで深く勉強したいから」
2. 「4年間の大学院生期間」
3. 「医局に有給職のポストがないため」

 無給医は労働時間は超長時間になるが、無給でも薄給でもやっていけるという社会的な事情があった。

 もちろん、「アルバイトで生活ができるから無給でいい」という論理は100%誤っているが、当時の若い医師が有給のポストが得られないなら止むを得ない・・・とそう考えて無給医に甘んじていた。

 2000年に医師の研修医制度が発足して以降様変わりしたが、それ以前は医師の多数は大学医学部の医局に所属した。

 医局は教授をトップとするピラミッド型の構造で、給与や階級、身分などはおおむね年功序列。有給のポストは各医局で10名程度であり、大きな医局だと50名もの医師が無給で所属していた。無給医たちは各々地域の病院に派遣され、生活費を得ていた。

 問題の根本には、大学病院にはそもそも多くの医師を有給で雇う経済的余裕がなかったことがある。大学病院は自ら好んで無給医のシステムを取っていたわけではないが、このようなシステムで地域の医療が維持されてきたことは確かである。

 大学病院でなくては学べない高度かつ先進的医学的知識、技術もあり、研究も可能である。この環境は若手の医師にとっては魅力があった。
 現在、国は「医師の働き方改革」を進めている。時代の推移を感じるが、それでも医師には過酷な労働条件が残されたままである。

 「医師の働き方改革」には医師の労働条件を軽減すれば良いというものではない。それだけを追求すれば地域医療が崩壊する。




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医師の働き方改革(2024)(5) 医師は労働を搾取され続けてきた

2024年04月10日 04時01分46秒 | 医療、医学
 昼夜を問わず治療にあたる勤務医は、長時間労働が常態化している。
 心身ともに疲弊して勤務医を辞める人もおり、さらなる医師不足を招く悪循環が生じていた。

 勤務医の過酷な長時間労働によって医療体制が維持されている現状は、健全とは言えない。各医療機関が働き方改革に取り組むとともに、国は医療の維持のための対策を強化すべきである。

 その際に患者の受診行動の是正を伴わなければ実効性は確保できない。

 2019年に施行された働き方改革関連法では、医師については影響が大きいとして、実施を5年間先送りしていた。それだけ国は医師の労働について「使命感」に頼って低い評価で長い間労働を搾取し続けてきた。

(1)医師の労働搾取の実態   無給のインターン制
 例えば、私が医師になる直前までは大学医学部・医科大学・医学専門学校を卒表した医師の卵には1年間の無給のインターン制度があった。
 1945年(昭和20年)にGHQの指導で、卒業生にインターン教育と医師国家試験が義務となった。
 インターン教育では医師資格を有しないインターン生が医療行為を行った。医療事故の責任所在も明確ではなかった。1967年(昭和42年)に東大医学部のインターン生らが「医師国家試験ボイコット運動」を起し、それが東大紛争に発展したこともあって社会に注目され、1968年(昭和43年)に「インターン制度」は廃止された。
 国は20年以上も無給の制度を続けてきた。

 これによって、卒後すぐに国家試験を受け合格者には医師免許が授与されることになった。

(2)低賃金医という身分
 インターン制の廃止によって「寄る辺なき無資格医」の立場はなくなったが、大学病院や大規模病院には「無給医・低賃金医」という勤務形態があった。

 私は1973年(昭和48年)から秋田大学内科に所属したが、その時の身分は1日ごとに資格が更新される日雇医師であった。休日や勤務時間などあっても無きに等しい状況でほぼ24時間拘束状態で、当時の給与は4-5万円程度。
 週末は秋田県内の病院を点々としながら生活費を稼いでいた。

(2)無給医という身分
 「無給医」とは、無給で働く医者のこと。種々の理由で給料を一切もらわずに労働している医師が存在した。ほとんどは医師になって3~10年目くらいの若手医師であった。医師は超長時間労働さえ覚悟すればアルバイトで生計を立てられる道があったからそう深刻ではなかった。この時期を耐えれば教授からいい就職先を紹介してもらえることも期待できたからである。

 私は純然たる「無給医」の経験はないが「低賃金医」を3年近く経験した。


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医師の働き方改革(2024)(4) 多岐に渡る業務をどう評価する??

2024年04月09日 06時39分58秒 | 医療、医学
 医療現場ではこれまで、労働時間がきちんと管理されてきたとは言えない。だから、働き方改革議論の前提となる就業データも十分ではなかった。

 勤務医の日常業務は多岐に渡る。
 ⚫︎日常の外来、⚫︎入院患者診療、⚫︎患者本人家族への病状説明、⚫︎紹介状・診断書等の診療関連書類の作成、⚫︎死亡時の対応、⚫︎健診・検診業務、⚫︎手術・術後管理、⚫︎自己学習研修、⚫︎受け持ち患者の病態の学習、⚫︎病院全体の学習会カンファレンス、⚫︎各診療科の検討会、⚫︎日当直、各診療科の拘束時間、⚫︎医局会出席、⚫︎などなど

 今は無くなったと思うが、通常勤務ののちにそのまま当直に入り、翌日も通常勤務、という形態は稀ではなかった。

 これらの業務の評価は業務改善の中でどう捉えられたか?

 大規模の高機能病院では朝7時台から勉強会、症例検討会が行われている例もまれではない。内容的には診療に関連したものであるが、勤務時間内に開催できないためこんな時間から開催される。

 医師の働き方改革では、一般の医師の業務範囲と特例対象医師への対応に分けられる。

 特例の対象となる医師の健康を守るため、以下を医療機関に義務付けている。
――――――――――――――――――――――――――――――
■連続勤務を28時間以下にする、
■次の勤務までに9時間の休息を確保する、
■残業が月100時間以上になる場合は産業医らが面接指導する、
■などなど
――――――――――――――――――――――――――――――
 こんなバカな、と思う。
 医師の疲労の状況を客観的にどうチェックするのか。
 ドクターストップがかかった場合に代わりの医師をどう確保するのか。実効性のある仕組み作りも課題。

 特例廃止は重要であるが、私は特例廃止に至るまでに医師の労働環境がどう変化して行くのか、に興味がある。
 その際、医療のもう一方の主役である患者の立場は,「古き良き時代の患者像」からかけ離れて行かざるを得ないだろう


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