今日はお雛様の修復をお伝えします
修復したのは私の叔父でもある師.平野富山が敬吉時代の作品
三輪雛です。
依頼内容は 女雛の顔に汚れがあるので
きれいにしてほしいとの内容です
汚れは目立つところにあり左の髪の毛までに至っており
何かにぶつけたのか?爪楊枝の先ほどの小さな穴があいて
そこにも汚れが入り込んでいました
修復前
修復前
一目見て師、平野富山の作品であることがわかりましたし
大きさがわたしも初めて見た大きさで
女雛 で40cm以上もある大きなものでした
面相の描き方ももちろん彩色の文様も素晴らしく
逸品で大変立派なものでした。
汚れを落とす作業は神経との戦いでした。
上から白い胡粉を塗るのではなくこの汚れを
どう落とすかそしてその小さな爪楊枝の先ほどの穴を
どう平らにするかで思案に時間がかかりました。
幸いご依頼者はお急ぎではないとのことで助かりました。
一ミリ進んで乾かして又天気の良い日に汚れを落とす
その繰り返しの中で又ハッとひらめくことがあり
そのひらめきでも助けられました。
こんなちいさなスペースですが2か月近くかかりました。
手を動かす時間より考える時間の方が多かったかもしれません
修復後
修復後
少し前にご依頼者より二人そろった写真を送って頂きました。
写真なのでサイズがわかりにくいですが
女雛 で40cm以上ですので男雛は更に大きいですね。
ご依頼者より男雛と女雛揃った写真を頂け感激です
ありがとうございます。
明日はひな祭り全国のお雛様たちの
喜んだお姿、日本をしあわせにしてくれますように
。