全4回の「フジテレビの歴史」の本日は最終回です
八、中居正広事件で危機に~コーポレートガバナンス、コンプライアンス意識の高まり
コンプライアンス(Compliance)とは、法令や社会的ルールを守ることを意味します。
コーポレート・ガバナンス(英語: corporate governance)は、企業の不正行為の防止と競争力・収益力の向上を総合的にとらえ、長期的な企業価値の増大に向けた企業経営の仕組みのことです。
うん。これらは世界的に推進されているSDGs(持続可能な開発目標)のうち、どれに関連しますか?
目標9の「産業と技術革新の基盤をつくろう」でしょうか。
そうだ。2000年代初頭、村上ファンドなどがコーポレートガバナンスとコンプライアンスの重要性を指摘していた。しかし、SDGsに取り上げられていることもあり、コーポレートガバナンスとコンプライアンスの必要性は、以前よりかなり高まっていると言ってよいだろう。
そんな中、報道されたのが中居正広氏が女性を性的に傷つけたという事件です。
問題になっているのは
①2023年6月中居氏が女性を傷つけたとされる。会社はそれをすぐに認識したが、2024年12月に報道されるまで中居氏を番組で使い続けた。女性を傷つけるようなタレントを使い続けるのはどうか?
②フジテレビにはタレントなどを接待するためには、たとえ意に添わなくても関係者の女性を使う企業風土、すなわち女性軽視の雰囲気があるのではないか?
③中居氏が女性を傷つけたことは社内のコンプライアンス担当部門に知らされていなかった、
などの諸点で、コンプライアンス意識、コーポレートガバナンスが機能していないのではないかという点です。
それに関連してフジテレビは2回、会見を開きましたが、最高責任者とされ、人事権を一手に握るといわれる日枝氏が会見に出席していないのは問題とされています。
フジテレビのイメージの低下に伴い、フジテレビからCMを流せば、自社のイメージまで低下してしまうとのことで、約80社がフジテレビからCMを流すのを止めたといいます。
民間のテレビ局の収入は主にCMの放映料なのでフジテレビのダメージは大きいね。さて、次のグラフを見てほしい。
各局とも凋落続く…主要テレビ局の複数年にわたる視聴率推移(最新) - ガベージニュースより
どのテレビ局の視聴率も下がっていますね。
確かに全体的にテレビ業界には厳しい時代が続いいるのですが、紫の線で表されているフジテレビの落ち込みぶりは特に目立ちますね。
「振り向けばテレ東」などと言われているそうです。
そんな言い方、テレビ東京に失礼です。しかし、業績悪化、中居事件などの責任を取り、日枝氏の辞任を求める声も上がっています。
およそ40年もフジサンケイグループの最高権力者である日枝氏にも落日が迫っているのか?
いずれにせよ2025年3月には、これら諸問題を調査している第三者委員会の発表があるし、6月には株主総会がある。これらを注視しよう。
参考資料
中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY - YouTube
メディアの支配者(中川 一徳)
拙著です↓。講師と生徒二人の会話形式で社会科を語る本です。 ゼミナールに参加する気分で、単なる暗記じゃない、基本から説き起こす社会の参考書をぜひ知ってほしいです。 以下から立ち読みも可能です。
拙著に込めた思いについては
「やさしい中学地理」について | やさしい社会ブログ (ameblo.jp)
「やさしい中学歴史」について | やさしい社会ブログ (ameblo.jp)
「やさしい中学公民」について | やさしい社会ブログ (ameblo.jp)
を参照してください。
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