グラハンの業界団体、羽田で学生向け職場見学会 産学連携で認知向上と人材確保目指す

グランドハンドリング業界の持続的な発展を目指す業界団体の空港グランドハンドリング協会(AGHA)は5月9日、学生向けの職場見学会を羽田空港で開催した。社会全体で働き手不足が課題となる中、産学連携で業界の認知向上や人材確保への取り組みを進める。

見学会には、グランドハンドリング業界へのキャリア支援を行っている埼玉学園大学と川口短期大学から計15名の学生が参加。案内役はAGHAに加盟するANAエアポートサービス、JALグランドサービス、JALスカイ、スカイマーク、羽田タートルサービスの5社の社員が担当した。学生は2つのグループに分かれ、各社の社員から説明を受けながら、チェックインカウンター業務や駐機場でのグランドハンドリング業務の様子を約1時間半見学した。

見学後は各社で働くグランドハンドリングスタッフやグランドスタッフが座談会を開き、学生と交流した。学生からは、業界を目指したきっかけや、就職前後のイメージと現実の違いのほか、「繁忙期は休みが取りづらいのですか」「クレームを受けたときの対応で気をつけていることはなんですか」などといった質問があがっていた。

就職活動を控える埼玉学園大学経済経営学部3年の池間佳希さんは、「旅行業界と迷っていたが、改めて航空業界がいいなと思った」と話し、「社内資格がたくさんあると知った。勉強しないと」と気を引き締めた。

飛行機好きの母親の影響で自身も飛行機好きになったという川口短期大学ビジネス実務学科1年の長岡紗花さんは、「スタッフの方が優しく、空港関連の仕事をしたいと感じた」と将来の就職先として航空業界に興味を持った様子だった。

埼玉学園大学と川口短期大学は学生の就活支援の一環で、全国の大学として初めてAGHAと連携。見学会は学校側からの働きかけで実現した。川口短期大学ビジネス実務学科の冨吉光則准教授は、「見学を通じてグランドハンドリングの仕事に興味を持ってもらうことと、イメージと現実のミスマッチがなくなることの両面の効果が大きい」と話した。

AGHAはグランドハンドリング業界初の業界団体として2023年8月に設立。5月1日時点で、全国の空港でグランドハンドリング業務を担う85社が加盟している。