呪いの人形視点っていうのが斬新
まぁ家に来て欲しいかっちゅーと微妙…
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本「お梅は呪いたい」 著者 藤崎翔

 

★★★☆☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)

 

かつてその呪いで戦国大名を滅亡させた日本人形のお梅…。
古いお屋敷の解体により500年の眠りから醒める。
さっそく人間を呪い殺そうとするが…。

 

 

 

呪いの日本人形なんて昔からある怪談だし想像するだに怖い。
ところがこのお話のお梅はどこか可愛い…。

お屋敷の解体のおかげで解放された呪いの人形お梅。
早速人間を呪い殺そうとするが昔とは勝手が違いなかなか呪いが効いてくれない。
テレビ等で勉強しあれこれ試すがうまくいかない。
それどころかお梅が関わったことで住人が幸せになるではないか…。
という荒唐無稽ではあるけどユーモラスでなんかほっこりする呪いの人形のお話が展開していく。

持ち主が次々変わり、まぁこれもお梅が自分で移動し新しい持ち主の家へと行くのだけど。
昔とは栄養状態が違い人間の寿命も格段に延び、医療も発達しているためいくら瘴気を発しようとも病気にすらできないお梅。
時代が違えば呪いも変わってくるのか…と面白かった。
髪が伸びるわけでもないので見た目怖いかというとよくわからない。
でも自力で歩いたりするからこれは怖いかもしれないな。
実際見たら。


視点がお梅なもので概念的な思い…となってはいるけどしっかり色々理解しているお梅。
相手のマイナスな感情を増幅させて殺しをさせようとするが、そのたびにテレビが点いたり、違った人間の方を増幅させてたり失敗ばかり。
その結果、あまり幸せではなかった持ち主が少し幸せで前向きな人生を歩みだすことになる。

 

読後感が良く、お梅が可愛く思えてくるし応援してしまうくらい。
変わっていく持ち主も結構人生暗かったりするのだけれど、結果的にはお梅のおかげで前向きになる様子がいい。
引きこもりだったりユーチューバー目指してたり恋人もいない禿げたおっさんだったり、人生に絶望しているような人たちが明るく幸せになっていくのは読んでて良かったな。

いくつでもどんな状況でも変わろうと本人が思えば変わることはできる…というね。
お梅はきっかけにすぎず、結局は本人たちが動こうとすることで人生が好転していく。

呪いの日本人形を主人公にしてここまでハートフルなお話になるなんて面白いわ。
作家さんはもともとお笑い芸人の方。
台本も書いていたらしい。
この方の小説引き続き読んでみようかな。
前向きになれる小説っていいよねぇ。
お梅の続きが出ているのでまずはそれからがいいかな?
楽しみです。

 

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