改正建築物省エネ法
かって吉田兼好は、「徒然草」にて、
家のつくりやうは夏を旨とすべし
冬は如何なる所にも住まる
あつき頃、わろきすまひはたへがたき事なり
家のつくり方は夏を主とするのがよい
冬はどんな所にも住むことができる
暑い季節に、建て方の劣っている住まいは、我慢できないものである
と記しています。
当時としては、開放性の高い家こそが良い家であり、密閉度が高く風通しがよくない家こそが「わろきすまひ」だったのでした。
国土交通書の資料をみますと、「2025年4月から原則すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合を義務付ける」とあります。
密閉性の高い高気密・高断熱の家(高性能住宅と呼ばれています)こそが、現代では「よきすまひ」であり、開放性の高い家こそが、「わろきすまひ」なのでした。
価値観は時代によって変わるということなのでしょうが、いろいろ考えてしまいます。
開放性が高い家を建てたいと思っても、許可がおりないので無理だということになります。
吉田兼好は、現代では、家を建てられないかもしれません.....。
株式会社小野建築設計 藤田和彦