引き続き、相手の邪魔をする手筋を定石から見ていこう。
とにかく、相手にやすやすと打たせては損だ。
うまく相手の狙いを消すことが大事だぞ!
図2 白B3
白の手が見えただろうか?
同じ「消去」でも、白C2では、次に黒D2と沿い手されてよろしくない。
白D2はー2の手で、ないことはないが、最善ではない。
ここは白B3(+0)の引っ張りで「上の白壁を割って来い!」と迫る手が最善である。
さて、図2で白が打ちたい手はどこだろう?
斜め一個返しの中割りがある。
そう、C5である。
相手の狙いが見えたら消してしまえ!
図3 黒E2(+0)
黒はE2と大胆に壁を割りつつ、白の種石を消した。
ちなみに図2の場面では黒は3つの変化がある。
F2と種石を消す手もありだし、D2と白の狙いを無視して自分の種石を作る手もありだった。
E2を含めて、すべて+0の手である。
その他の手はマイナスの手となる。
つまり、なんとなく打つのではなく、常に意味のある手を打つことが重要だ。
では、意味のある手とは何か?
①中割り
②引っ張り
③種石を消す手(消去)
④相手の打ちたい所に打つ手(天王山)
⑤相手の打ちたい手を打ちずらくする手(悪化)
⑥自分の種石を作る手
⑦手数を稼ぐ手
である。
①~⑤は既に解説したとおりである。
⑥種石を作る手とは、次に中割りや引張りを狙うための種石を作ることである。
⑦手数を稼ぐ手とは、無難な手を打って相手に手番を渡す手である。
一石返しや、一方向返しなどを含む、いわば時間稼ぎの手でもある。
自分の状況をできるだけ悪化させずに、状況が好転するのをじっと待つ手である。
以上七つの法則は、オセラー必携の七つ道具と言えよう。
しかるべき時にしかるべく使用し、オセロ界のドラえもんと呼ばれるように、がんばっていただきたい。
さて、図3の場面、白には好手がある。
F5の斜め一個返しの中割りかつくぼみに打つ中割りだ。
くぼんでいるところ、へこんでいるところ、狭いところ、に打つ中割りには好手が多い。
オセラーの心、猫鍋に潜り込む猫の心のごとし! である。
結論から言えば、F5はー3の手である。
しかし、この場面、F5よりいい手、+0の手があるのだ!
今回のテーマでもある「相手の狙いを消せ」という視点に立って、黒の狙いを見てみよう。
黒の次の狙いはD2が有力である。
白のF4の種石を消すと同時に、自らはじっと一石返しで、落ち着いた手である。
黒のこの手を邪魔してしまおう。
「消去」ではどうなるか?
図4 白D7
黒D2の種石を消した。
これによって黒はD2に打てなくなったが、見ての通りひどい手である。
とりすぎ、壁を作る手、中割でも引っ張りでもない。
一応、種石を消すという意味を持ってはいたが、マイナス要素が多すぎるため悪手ということになる。
「消去」は使えない、かといって「悪化」させる手もない。
こんな時は「天王山」だ!
図5 白D2
白は、相手の打ちたい所に打ってしまった。
次に白の狙いはC5かF5の斜め一個返しの中割りがある。
図7 白F5
そこでようやく白は自分の好手であるF5を打った。
白は図3の段階でF5は打てたのだが、そこを打つ前にまず相手に好手を打たせないことを優先する手が最善手だった。
このように自分の好手を後回しにしても、相手に好手を打たせまいと考える意識が身につくと、自分のオセロ観が新たなるステージに突入していることに気づくはずだ。
自分の好手か、相手の好手をはばむか、判断が難しい場面もあるが、とにもかくにも、まずは相手の狙いを見抜くという発想が諸君の勝率を格段にアップさせてくれるはずだ!
まとめとしては、まずは相手の狙いを見抜く、常に意味のある手を打つということである。
では、本日はここまで!