HSEネクスト全国大会 ~終了レポート~ ④ ドラッグストア | いちどのじんせいタノシク・ジユウに

【ブログ更新しました】

 

HSEネクスト全国大会の3講義目には「ドラッグストア」についてです。

 

弊社のテーマである「医療・介護住居(地域)」の介護です。

 

講師は言わずと知れたドラッグストアである「スギ薬局」より株式会社スギ薬局 杉浦 伸哉 常務取締役です。

 

 

 

ブランド力で商圏を獲得

 

近年、全国展開をするドラッグストアの領地の奪い合いが行われています。昨今ではツルハ(北海道)のハーティーウォンツ(広島)の売却、ザグザグ(岡山)のナチュラル(ドラッグストアモリ:福岡)と買収によりエリア獲得が行われています。

 

スギ薬局の戦略は本拠地が東海ということもあり、東名阪の3つをコアエリアとして展開をしています。

お話の中には「太平洋ベルト沿い」とありましたが、工業地帯が密集するラインをいい、その中でもこの東名阪を中心としたエリアだけで日本の総人口の半数である6,000万人が住んでいるといわれます。

 

ドミナントした店舗展開とやはり出てくる「ポイントカード」による集客性は知名度とブランド力を支えています。

 

ドラッグストアの戦略として大きくあるのが物流にあります。

小売業の鉄則と言えますが、物流をどう効率化するかによって「Every day low price」の実現が掛かっています。

 

本年スギ薬局は次の展開として、北陸エリアへの進出を強化しています。

 

このエリアは「クスリのアオキ」のおひざ元となります。今後の展開に注目です。

 

ドラッグだからといって調剤もあなどれない

 

ドラッグストアの一つの戦略として言われているのが「処方せん」いわゆる保険調剤への進出です。

いまだにドラッグ業界の中でも積極派と消極派に分かれますが、近年のドラッグストアの成長戦略を支えている一つと言えます。

 

「ドラッグの調剤は・・・」と言われてる方も多いと思いますが、その歴史は浅くともいま勢いよく店舗を増やしていっています。

 

調剤単独店と違い、ドラッグストアには小売りがあります。調剤併設店であれば単独店の開発よりも低コストですみ、投資を抑えることが出来ます。小売りという柱があるからこそ積極的に展開が出来ます。ここにドラッグストアの勢いの源があると思います。

 

また面対応の店舗が多く、努力次第で処方せんのふり幅が大きく伸びることも可能性として秘めています。

その一つにターゲットの違いが挙げられるのではないでしょうか。調剤単独店の場合はやはり門前の診療科目に大きく影響されます。

 

ドラッグストアの場合は店舗の立地エリアによってターゲットが変わります。ロードサイド型と言われる出店方式では多くの方が車を利用し店舗に来ます。ゆえにその方々は浮遊する処方せんを持っていると言えます。

 

車を利用する、かつドラッグストアで買い物をする、ポイントカードの利用となると必然的に若い家族層がターゲットになります。こういったものに待ち時間を削減するサービスをマッチングさせると処方せんが集まります。

 

また今後の診療報酬改定に対しても、面対応型の展開を広げているので必然的に集中率が下がります。今後ポイントカードとお薬手帳がリンクする、そんなサービスを展開されるとより対人業務への取り組みが強化され今以上の脅威となります。

 

 

理念、信念、教育

 

色々な脅威がドラッグストアにはあるわけですが、一番の脅威は企業としての強さにあるのではないでしょうか。これはドラッグだからという訳ではありませんが、やはり「企業」を成しているということです。

 

私なんかが語れる大きさでないですが、売上高4,300億円を支えてきている強さがあります。

 

なんといってもお話の中から、スギ薬局としての戦略とこれから目指すビジョンを見ることが出来ます。もちろんこれは杉浦常務のお話が上手い!ということも言えますが、これも強みだと思います。

 

私自身、年間多くの企業を訪問し2世経営者や後継者とお会いします。その中でもぴか一にすごい方だと感じています。やはり経営者が今後の業界の流れを理解し、明確なビジョンを示すことができ、そして戦略化することが出来る。こういった企業は強い!と言えるのではないでしょうか。

 

それらのメッセージは経営理念にも反映されています。経営理念を言葉の集合体に終わらせることなく、「意思の集合体」としている、これは理想の形と言えるのではないでしょうか。

 

スギ薬局の強みとしてもう一つ上げることが出来るのが、経営一族が薬剤師であるということだと思います。「ドラッグストア=小売り」ということで、処方箋はお金とみているイメージを感じることが多いです。その一つが「薬歴の未記載事件」へとつながっていると思います。

 

しかしながらスギ薬局を創設した杉浦一族はすべて薬剤師です。おまけの調剤ではなく本気の調剤を目指しています。ドラッグストアが調剤に本気で取り組んだ時、薬局との違いはどこにあるのでしょうか。

 

一流を知り、一流を感じることで見えてくる世界があります。

多くの方は「自分の見ているビジョンと一緒であった」と答えるかもしれません。

果たして本当にそうなのでしょうか。

同じ経営者同士であってもそこに勝ち負けを感じることがあっていいと思います。

むしろ、このすごさに驚き、「頑張らなくてはいけない」と奮い立つことが必要だと思います。

 

やるべきことが見えていれば「行動」が出来ているはずです。

次回報酬改定に向けてすでに厳しい意見が出てきています。

 

やるべきことを知り、「行動」を起こす。

いつまでも自分が高いところにいると勘違いをしていると「ゆでガエル」で終わってしまいます。

 

 

 

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