HSEネクスト全国大会 ~終了レポート~ ② 在宅医療 | いちどのじんせいタノシク・ジユウに

【ブログ更新しました】

 

弊社の考える薬局の在り方は「医療・介護・住居(地域)」の中にある薬局という考えのもと、日々のコンサルティング業務や東京で開催しているセミナーの講師選定にあたっています。

 

今回の全国大会でも同様の視点で3名の講師をお呼びし開催いたしました。

 

1講義目は「医療」という視点から

 

医療法人社団 悠翔会 理事長 佐々木 淳 医師をお呼びし在宅医療に求められる薬剤師の働きをお話頂きました。

 

 

医療法人社団悠翔会は東京都を中心に在宅医療専門のクリニックを開設しています。

2006年に開設し現在では9つの在宅療養支援診療所を運営しています。

 

目指すべき医療は「在宅での総合病院」

 

総合診療医から専門医、その他多職種をそろえ多くの在宅患者の自宅での療養生活の支援をしています。

 

医師であり、理事長である佐々木淳先生は現場での業務はもちろんですが、在宅医療の普及や質の向上に向けて幅広く活動をされています。

 

今回の講演でのポイントをいくつか挙げると、

 

① 時代の流れと共に、価値観や定義が変化している

 

② 服薬カスケードへの取り組み

 

③ 自分らしくあるための支援

 

大きく分けるとこの3つだと思います。

 

 

時代の流れと共に、価値観や定義が変化している

 

いま高齢者という年齢を75歳に引き上げようという動きがあります。

 

現在の65歳~というのは世界保健機関(WHO)で定義されたものらしいのですが、時代の進展や医療技術の進歩、生活水準の向上など様々な要因から人類の若返り化が進んでいると言えます。

 

このころのイメージを

 

 

こう例えています。

 

サザエ ・・・ 24歳

マスオ ・・・ 28歳 (原作では32歳みたいです)

 

波平  ・・・ 54歳

フネ   ・・・ 5?歳

 

サザエさんが世に出てきたのが「1946年」、昭和にすると昭和21年です。

時代は戦後であり、「農地改革」の時代です。

 

それから70年。

 

「ダウンタウン」の画像検索結果

ダウンタウン  松本人志 54歳   濱田雅功 54歳

 

唐沢寿明

唐沢 寿明 54歳

 

「ダチョウ倶楽部」の画像検索結果

 寺門ジモン 54歳   肥後克広 54歳   上島竜平 56歳

 

どなたも波平さんよりもとても若々しいです。

 

平均寿命の推移でみてみると、「1946年」と「2010年」では

 

男性 ・・・ 約20歳

女性 ・・・ 約25歳

 

も変わっています。

人生のエンディングに近かった60歳が、現在では道半ば途中になりました。

 

それだけ時代が変化する中、「人間」も長寿に向けて進化しています。

 

ではそんな時代に私たちは旧式の「高齢者」の定義をぶら下げた医療をしてていいのでしょうか。

時代と共に課題は変化します。かつては「不治の病」と言われたものも今では治る時代になっています。

そうやって医療というのは定義を常に「アップロード」しながら作り上げていかなくてはいけません。

 

服薬カスケードへの取り組み

 

いま日本の医療では「ポリファーマシー」への取り組みが進められています。

ポリファーマシーの原因や要因の一つとして今後取り組まなければいけないのがこの「服薬カスケード」です。

 

「服薬カスケード」とは、薬剤の副作用による新たな薬の追加でさらに薬が増えていくことを意味します。

 

「対物から対人へ」と言われる中、薬剤師に「重複投薬・相互作用防止」や「薬の一元管理」が求められています。

 

薬を増やすことが出来るのも薬剤師であり、薬を減らすことも薬剤師の専門性なのではないでしょうか。

 

 

自分らしくあることへの支援

 

これから求められる在宅医療の基本的コンセプトに「自分らしく」があります。

 

地域包括ケアの本来の考え方は「住み慣れた地域で、住み慣れた環境で」です。

 

医療にはエビデンスが必要であり、ガイドラインが定められていると思います。

しかしそれは「小児」「成人」「準高齢者」「高齢者」とカテゴリー化された数値であったりデータなのでしょうか。

 

在宅医療において「自分らしく」を考えた治療方針や療養環境の設定をしていく必要があるのではないでしょうか。

 

それはすなわち「均一」な考え方ではいけないということです。

 

高齢者のサルコペニアが問題となっています。

 

若い世代は空前の「筋トレブーム」です。

 

成人と高齢者では筋肉はどのように構築され、必要な栄養素はどうなっているのでしょうか。

 

高齢者は睡眠時間が短く、よく夜中に起きます。

 

それを「中途覚醒」とし、睡眠薬を常時服用する方も少なくないと思います。

 

しかしそれは本当に「中途覚醒」なのでしょうか。

そもそも「睡眠時間」が短いだけなのではないでしょうか。

 

血圧はどうでしょうか。

高齢者にとって塩分控えめは意味があるのでしょうか。

 

など、ある種「あたりまえ」となっていることへの疑いを持つことが今後重要になるのではないでしょうか。在宅医療と急性期は同様にみられがちですが、在宅医療は人生のファイナル段階であることが多いと言います。

 

その方にあった、その方に合わせた、その方らしい生き方を演出してあげる

 

それが在宅医療にかかわる職種のプロフェッショナルなのではないでしょうか。

 

 

と、大変な長くなりました。

在宅医療の歴史は決して長いとは言えないと思います。まだまだ改善段階であり模索の中で進められていると思います。しかしながら薬剤師にとってもそれは同様だと思います。

 

「在宅がやれる」「在宅をやっている」という段階から「何ができるのか」という時代に来ていると思います。

 

2018年度調剤報酬改定では在宅への取り組み、地域包括への取り組みが議論に入ってくると思います。求められる薬局、薬剤師になるためには次のステップへの在宅医療を目指す必要があるように思います。

 

 

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