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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

自民党のダメダメ政治資金規正法改正独自案。上脇博之教授「なんだこの生ぬるい案は!!!そのうえ政治資金パーティーも企業献金も全面禁止しないんだから、裏金は今後も作り続けるぞということなんですよ!」

2024年04月24日 | ダメよダメダメ岸ダメ政権

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 自民党政治と金の問題なのに、自民党が一向に政治資金規正法の改正案を出さず、岸田政権としては公明党案に乗っかろうとしていた問題。

 野党や市民から猛烈に批判を浴びて、やっと独自の改正案を出してきたのですが、これがシブシブ出して見せたことが露骨なとんでもない案で、裏金問題に火をつけた上脇博之神戸学院大学教授(憲法学)が

『なんだこの生ぬるい案は!!! そのうえ、政治資金パーティーも企業献金も全面禁止しなんだから、裏金は今後も作り続けるぞということなんですよ! 

 自民 政治資金規正法改正の独自案 「確認書」義務づけで調整 | NHK』

と怒りの鉄拳制裁です。

あの上脇博之教授があのレイシスト杉田水脈議員を裏金作りでついに刑事告発!上脇教授「裏金は杉田氏個人の収入の可能性。検察は捜査を尽くすべき」。会合費はスナックなど飲み屋がずらり(笑)。

 

 

 自民党案では、裏金作りの再発防止に向けた具体策として、議員の責任を強化するために収支報告書の内容に間違いがないことを示す「確認書」の作成と署名を、議員本人に義務づけると言っていますが、ほんまに上脇先生でなくてもアホかといいたくなりますよね。

 そんなのなんの意味があるの!

 あと、自民党は、会計責任者が処罰された際に議員が内容を確認せず形式的に作成していた場合には罰則を科すことが盛り込まれるかもしれないんですが、本当に実効性のある制裁になるとは思えません。

 また、収支報告書に不記載があった場合に不記載の額を国庫に返納する仕組みを設けることも検討しているというのですが、脱税しているのに脱税分を返納すればいいだなんて、1円単位で正確に納税することが求められる市民に比べたら制裁にも何にもなっていません。

 ほんま、ええがげんにせえよ。

自民党が裏金問題で塩谷・世耕両氏に離党勧告するなど39人の処分決定したが茶番。岸田首相による非主流派の安倍派・二階派潰しのための権力争いに過ぎない。これでは自民党の政治と金の問題は全く解決しない。

 

 

 この自民党案については、上脇先生よりずっと温和な(笑)日本大の岩井奉信名誉教授(政治学)も

「全く当事者意識がない。

 自分たちが率先して制度を変えるという決意が見えない」

と批判し、対象を国会議員が関係する政治団体に絞ったことについても

「一時的に取り繕うための対策でしかない。

 政治とカネの問題は、国会議員だけの問題ではなく、首長や地方議員でも起きている」

と厳しく批判されています。

 自民党に自浄作用を求めることが間違いなんですよ。

ほんまかいな。「適切に対処せず」がミソで、連座制はなかなか発動しないようにできているはず。

裏金を受け取り脱税していた国会議員は議員辞職・政界引退が当然で、岸田首相が安倍派の幹部を「党員資格停止」にしようが「選挙での非公認」にしようが、どんな処分でも国民には全く響かない。

 

 

 ところで、ちょうどkojitakenの日記さんで、衆院15区補選における選挙妨害事件で、維新や都民ファーストが選挙活動を制限する法改正について言及したことについて、わたくしにご指名のご質問が来ておりまして、

『それにしても、「普通は権力者の自覚があれば、権力の行使は謙抑的であるべきということを理解しているはず」という「普通」の権力者が、今の日本にはなんと少ないことだろうか。

 「謙抑的」というのは、字面を見れば明らかな通り「謙(へりくだ)って控えめにすること」という意味だが、法律家がよく使う言葉なのだろうか。

 このあたりは宮武嶺さんにお伺いしたいと思う。一般には「権力者は権力の行使に抑制的であるべき」などという。』

ということなので、あらためて私も「謙抑的」と「抑制的」の法律学での使い分けを初めて考えてみました。

 日常用語ではないかもしれませんが、「謙抑性」という言葉は法律学ではよく使われる用語で、例えば刑法の謙抑性とは刑法が違法行為に対する最後の手段としてのみ用いられることを指しますが、これは

「刑罰権は国家権力のもっとも強力かつ露骨な発現であるから、これに対して個人の人権を保障するために」

必要とされています(団藤)。

立民・五十嵐衣里都議がXでまたまた痛烈に都ファを批判。「権力者である政治家から、国民の自由を制約する罰則強化を声高らかに、自党アピールのために宣言すること自体、こういう人たちに権力を持たせるのは恐ろしいなとつくづく思います。」

 

 

 結論から言いますと、謙抑的は国家権力(の担当者)の態度、抑制的は国家権力の行使の方法について使い分けられている気がします。

 たとえば、選挙で構成員が選ばれていない非民主的機関である司法権=裁判所が、選挙でえらばれており民意が直接反映している民主的な機関である国会が作った立法に対して違憲立法審査権(憲法81条)を行使する際には

できるだけ「抑制的」に行使する「謙抑的」な態度が求められる

といった具合です(司法消極主義。現在では法の支配の貫徹のために違憲審査権を幅広く用いる司法積極主義をもっと取り入れるべきだとされている)。

 ですから謙抑的という言葉は法律学ではよく使われるのですが、古寺さんが

「普通は権力者の自覚があれば、権力の行使は謙抑的であるべきということを理解しているはず」

という言い回しに違和感を持たれたのはさすがで、ここは「権力の行使は抑制的であるべきという謙抑的な態度が求められる」、という言い回しが講学上普通です。

犯罪者に犯罪を取り締まる法律を作らせているようなもので全くの無駄。

自民党のユルユル党則改正案。会計担当者が逮捕・起訴されたら国会議員本人に離党「勧告」や役職停止などの処分を「科せる」。自民党は処分をしなくてもいいし、議員は離党しなくてもいいというトンデモ改正案だ。

 

 

 それにしても、自民や維新や自分ファーストに「権力者であることの自覚」「謙抑的な態度」を求めて、「権力は抑制的に行使せよ」と言っても馬耳東風で無駄ですよね。

「権力は腐敗する。絶対的な権力は絶対的に腐敗する。」(英国の歴史家ジョン・アクトン)

 常に権力に対する不信と懐疑の念を持ち、我々主権者たる市民が権力を抑制していくことを考えなければいけません。

 それが立憲主義です。

 自民党の政治と金の問題についても選挙妨害についても、自国維公やトンデモ政党の議員を落選させてまともな政党に政権交代させ、我々が権力者の横暴を抑制していかないといけないのです。

左と右でどこが改正になっているのか全く分からないですよね。

自民党と30年組んでいる公明党の相も変らぬマッチポンプぶりも実に腹立たしいです。

自公に政権を担わせておいたらダメってことなんです。

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政治資金規正法の改正に向けて、自民党は近くとりまとめる党独自の案に、収支報告書の内容に間違いがないことを示す「確認書」の作成を議員本人に義務づける方向で調整に入りました。内容を確認せずに形式的に作成していた場合は、議員本人に罰則を科すことなどが盛り込まれる見通しです。

政治資金規正法の改正に向けて自民党は党独自の案をまとめることになり、それに向けて22日、作業チームのメンバーが協議を行いました。

これまでのところ独自の案は、再発防止に向けた最優先の制度改革と、再発防止策以外の検討項目の2つの要素で構成する方針です。

そして、再発防止に向けた具体策として、議員の責任を強化するため、収支報告書の内容に間違いがないことを示す「確認書」の作成と署名を、議員本人に義務づける方向で調整に入りました。

会計責任者が処罰された際に、議員が内容を確認せず形式的に作成していた場合には罰則を科すことが盛り込まれる見通しです。

また、収支報告書に不記載があった場合に不記載の額を国庫に返納する仕組みを設けることも検討しています。

一方、再発防止策以外では政党から議員に支給される「政策活動費」の透明性のあり方などを盛り込むことを検討しています。

自民党は23日、すべての議員を対象とした会合を開いて独自の案を固め、週内にも公明党との合意を目指す方針です。

自民 茂木幹事長「あすにもとりまとめたい」

 

自民党の茂木幹事長は、記者会見で党独自の案のとりまとめについて「収支報告書への不記載の再発防止は最優先課題であり、あすにもとりまとめたい」と述べました。

そのうえで、党内で検討されている収支報告書に不記載があった場合に不記載の額を国庫に返納する仕組みについて、「意図的な不記載や虚偽記載などは、収支報告書を修正すれば済むものではないと思っている。議員本人の罰則強化とあわせて『没収』や『国庫返納』の議論を進めていきたい」と述べました。

一方、旧「文書通信交通滞在費」、現在の「調査研究広報滞在費」の使いみちや公開のあり方について、「与野党間の協議が早急に再開され、合意すべきものであり、合意が得られるようわが党の担当者にも促していきたい」と述べました。

 

「全く当事者意識がない」 専門家が痛烈批判 自民の規正法改正案

日大の岩井奉信名誉教授

 自民党は23日、政治資金パーティー裏金事件を受け、政治資金規正法の改正案を公表した。国会議員が関係する政治団体について、議員本人の責任を明確にし、外部監査を強化するなどの内容だが、専門家はどう見ているのか。政治資金に詳しい日本大の岩井奉信名誉教授(政治学)に聞いた。【安部志帆子】

 自民案では、政治資金収支報告書の不記載や虚偽記載について、政治団体の会計責任者だけでなく、代表である国会議員本人にも責任が及ぶように監督責任を明確化した。

 具体的にはまず、収支報告書が適正に作成されていることを議員本人が確認したことを示す「確認書」の交付を義務付けた。総務相や都道府県の選挙管理委員会に収支報告書を提出する際、この確認書の添付が必要になる。

 その上で会計責任者が不記載などで処罰された場合、議員が収支報告書について確認しないまま確認書を交付していれば、議員本人にも罰則が適用され、公民権が停止されるとの内容だ。

 岩井氏は議員による「監督」の内容が確認書という形で具体化されたことは評価しつつ、会計責任者が処罰された場合にのみ議員の責任が問われる点を疑問視する。

 今回の裏金事件で立件されたのは、派閥の会計責任者らや、不記載額が4000万円以上に上るなど、ごく一部のケースだった。岩井氏は「検察によって立件対象が線引きされ、裏金を受け取った議員全員が対象になるわけではない。それで国民の理解が得られるとは思えない」と指摘する。

 さらに自民案では、政党から政治家個人に支出され、使途の公開義務がない「政策活動費」に対する規制や、政治資金パーティーの購入者に関する公開基準の引き下げなどについて具体的に記さず、課題を先送りした。

 岩井氏は「全く当事者意識がない。自分たちが率先して制度を変えるという決意が見えない」と批判。対象を国会議員が関係する政治団体に絞ったことについても「一時的に取り繕うための対策でしかない。政治とカネの問題は、国会議員だけの問題ではなく、首長や地方議員でも起きている」と疑問を呈した。

 

 

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2 コメント

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Unknown (暗黒大将軍)
2024-04-24 23:09:21
政治家が事務所のカネの出し入れについて、会計責任者に任せきりで自分は全く知らない、関わってないと言い、責任者が起訴されたり有罪になったりすると「私の不徳の致すところです」の決まり文句を繰り返す

ネットに限れば「白々しい、どんな大物議員でも首町でも、細かいカネの出し入れまで普段から確認してるよ」という書き込みを頻繁に見ます

もしそうなら、ドリル優子ってのは大した奴だと思います
「あの若さで、金権政治家として確立したスタイルをもってる」と評するコメントも見ましたが、一応露顕した疑惑は2014年のドリルの件と、2021年の公共事業企業からの寄付、だけですからね
Unknown (津木野宇佐儀)
2024-04-25 03:36:09
>暗黒大将軍さん
>ドリル優子
彼女、親が「おだぶつ小渕」でないとどうなっていたでしょうか…!?
そういった意味でも、彼女はジジイオヤジの依怙贔屓ニッポソの申し子かと

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