先程までと違った顔を見せる由紀だった。

「 全部由紀が仕込んだ事なの。丁度近くに居た女性記者

 使ったの。何かたかしの事を狙っていたようだったから

 それを利用したの・・・・・ごめんなさい。」

「 由紀・・・・・。」

そんな言葉が聞こえる中、3人は立ち竦んでいた。

『 ねえ、神崎君?大丈夫なの?由紀ちゃんが仕込んだっ

 て聞こえたけど・・・・・。』

「 たかし、貸して。前田さん・・・・そうです。由紀が

 今回の事やりました。ごめんなさい。事務所にも迷惑掛

 けてしまって。」

『 どうしたの由紀ちゃん。あなたらしくないじゃない。

 いつもなら堂々と向かっていくじゃない?』

「 ・・・・・そうですよね。でも・・・・でもね、どう

 しようもなかったの。だって、たかしが・・・・。たか

 しの事がどうしても由紀に向いてほしかったから。だか

 ら・・・・・。」

大粒の涙を流しながら、前田さんに向かっていた。

『 ・・・・それだけ本気なんだね。分かったわ、こっち

 は私が何とかする。心配しないで由紀ちゃん。だからち

 ょっと換わってくれるかな神崎君と。』

「 はい・・・・。」

由紀が携帯を差し出す。僕は前田さんに向かう。


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