昨日までの非日常から
徐々に抜け出しつつ、
今宵のライブ前に
TOHOシネマズ池袋へ 
 
ネムルバカ
 
 
女子寮という名ばかりの
アパートで一緒に暮らす
入巣と先輩のルカ、
 
真面目だが不器用な入巣は
レンタルビデオ店でバイトしているが
これといった夢もなく鬱々としている
 
高校時代からバンドに打ち込むルカは
小さなライブでもファンがついてくる
 
そんな二人の日常は
時折起こるささやかな事件、
炊飯器が壊れたとかいうくらいで
淡々と流れて行くのだ
 
しかし、ルカの歌が
レコード会社の目に留まったことから
その日常が変わって行く…か??
 
と書いてしまえば
ありきたりのサクセスストーリーだが
これがまるで違っている
 
終盤のそういう大きな展開まで、
ひたすら二人の女子のゆるい日常、
予告編で見たままに〜
 
大学生男子の片思いが割り込んだり、
バイト先のイマドキ話もアクセントで
ちょっとしたくすくす、の生活は
先ごろ最終回を迎えたドラマ、
バカリズム脚本のホットスポット
どこか通ずる空気もある
(あちらはイマドキ中年女性だが)
ってことは、それこそが現代の、
一般的でフツーの価値観だったり
生き方だったりするんだろうか
 
男女4人が海辺で語る本音は、
こんなゆるいモラトリアム生活を
一生送ることも良しとする、
一方で夢を持つルカはそれに苛立つ、
夢を持ちたいが出来ることがわからない
という入巣もそこはかとない苛立ちを抱える
 
どうしても思い出すのは、
コロナ禍以前に関わった仕事で
イマドキ14歳に夢を持たせたい、
というものがあったのだが…
新型コロナ流行という
外的な要因で頓挫したが、
そのまま続けていたとしても
こういった考え方で育っている
若者たちの壁の方が大きかったと思える
 
この現実、
夢どころか一歩先の希望もない
しかも希望がないということは
決して彼らにとって
暗い絶望的なことでもなく、
ただただ穏やかな今の続き、
という程度のことなのだ
 
もちろんそうでないものも多い、
ルカのように夢を追うものもいるし
実際には堅実な就職のために
かなりの努力をするものも少なくない
 
けれどもそれが格差なのか、
熱量の違い、ってヤツの大きさに驚く
 
といって、
夢に近づくルカは
自分を捨ててまで得るものを
どうしても肯定できなかったりもする
 
そんな目に見えるようで見えない、
ごくごくプライベートな価値観を
繊細に隠したり見せたりした作品かな
 
絶望的ではない世界観は
ベイビーわるきゅーれ 
シリーズに通ずるが、
こちらは本当にフツーの若者であり
きっと多くの若者代表なのだな、
と、大昔の若者的には
多少はわかる気がしてしまったりして…
 
絶望的ではないにしても、
やっぱり現代の若者の閉塞感は
どうにもやりきれないな、
これもまた
大昔の夢見る少女の切ない胸の内だが…
 
 
 

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