ATF圧送交換-メルセデスベンツS400h(W222)特殊な工具を使って圧送交換するモデル | フリークのブログ

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大阪よりお越し頂いたメルセデスベンツS400hのお客様。

ATF圧送交換でご来店です。

 

 

ルーティンが体に染み付く位やり上げた7G-Tronicとはちょっと違う構造の為、事前にWISで作業の流れを確認。

 

 

どうしても気になるこいつの存在。

このSST、無かったら作業が出来ないのか!?

 

 

ATF圧送交換の雄として(!?)、

日々全国の整備工場さんよりお問い合わせを頂いている中で、このSクラスのハイブリッドは過去に3回、別々の整備工場さんから情報が欲しいとの依頼がありました。

 

しかしその時は私も作業未経験だった為、作業実績が無い事&情報も持っていないという事で情報提供は出来ませんでしたが、実は連絡を頂いていた3件の内1件は、普段から仲良くして貰っている&「四国サミット」などと称してふざけた飲み会を時々やっている香川県の「ヤマグチモーターサービス」さん!!

 

その後の流れで、作業自体は結果的に未実施となってしまったが、事前準備として要不要不明だけどSSTを取り寄せているという事で、早速連絡をしたら貸して貰える事に。

 

これで役者が揃いました。

 

 

今回は、このハイブリッド搭載車でのATF圧送交換作業の要領書を作る必要がある為、弊社スタッフさんに無理言って私が作業させてもらう事に。

 

フリークの精鋭サービススタッフ2人に割り込んで、時々出しゃばって来る社長・・・、嫌いにならないでね!

 

 

 

 

大阪から一泊二日でお越し頂きました。

遠方より遥々、弊社をご利用頂くためとは言え、多少の”こじつけ”もありで道後温泉旅行を計画して頂けた事と”勝手に”解釈しております。

 

頭が上がりません。

 

 

 

よく見る、あるあるレイアウト。

 

メルセデスベンツの整備書に従うなら、ATに大きく被っている巨大なミッションマウントは、

 

「トランスミッションをユニットマウント及びマウントプレートで支持し(落ちて来ない様に支え)、リアエンジンクロスメンバを取り外しましょう~!」

 

って事だけど、そんな事やってたらリスクだって高くなって来るし、何よりお客様への請求工賃が跳ね上がってしまうじゃないか!!

 

 

 

巨大なミッションマウントが脱着の邪魔をしているボルトは、実質たった1本!(軽微なものも含めるともう1本)

 

こういう時の創意工夫は、自分でいうのもおこがましいけれど結構得意なんです、わたし。

 

手持ちの工具を組み合わせてチョチョイと外します。

一部のモデル違いを除いて、殆どの7Gミッションオイルパンをこの方法で攻略しています。

 

 

 

問題のボルトも緩々に出来たので、ATFを排出して行きます。

 

 

 

比較用の瓶に採取。

 

 

 

SSTを使って、オイルパンに装着されているオーバーフローパイプを内側へと打ち抜きます。

 

これをしておかないと、オイルパン取り外し時にATFを浴びる事になりますが、この大型ミッションマウント付き車両では尚の事、絶対抜いておかないと、その日着ている服は廃棄する事になるかも知れません。

 

 

 

最初は約1リットル程しか抜けて来なかったATFが、オーバーフロープラグを打ち抜く事で、ドバドバ出て来ます。

余りに勢いが良いものですから少し離れて落ち着くまで観察。

写真は、落ち着きを取り戻した状態です。

 

 

通常の7Gならもう少し抜けますが、ハイブリッド車は抜けてこの位です。

 

 

 

真っ黒に見えますが、元々濃いめの青色をしたATFです。

そこに汚れが混じり込んでいますので、このタイプのATFは写真写りが悪いんです。

 

 

 

オイルパン取り外し。

 

 

 

設置されている磁石にはそれ相応の量の鉄粉が付着。

 

 

綺麗にしてあげます。

 

 

 

バルブボディも綺麗に。

 

 

 

新しいストレーナーと、

 

 

 

新しい部品たちにバトンタッチです。

今日以降はよろしくね!

 

 

オイルパンも綺麗にして、新品のガスケットなどを装着。

 

 

 

ストレーナーを取り付けて、オイルパン装着。

 

 

 

 

オイルパンガスケットがきちんと組付けられているか、オイルパン全周を鏡を使って確認します。

 

そしていよいよ、アレの出番!!!

 

 

 

と、その前に、マフラー一部を取り外します。

 

 

 

先にテストでSSTを使用せず圧送交換しようとすると、フルードは一切流れて来ませんでした。

当然ですよね。

 

サーモを開いたままに出来るSSTを刺し込んで、圧送交換が行えるようにします。

 

 

 

エンジン始動。

真ん中のクリーナーモニターにフルードがしっかりと流れて来ました。

これで良し!!

圧送交換を開始します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1回目終了。

何となく赤みが増してきたかなぁ・・・ってレベル。

 

 

 

 

 

 

2回目終了。

明らかに赤みが増してきました。

 

 

 

 

 

 

3回目終了。

 

 

 

少し透明度も上がって来ました。

 

 

 

 

 

 

4回目でやっとこのレベル。

 

 

 

最後の最後、ダメ押しの3リットルだけ交換してみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良いですね!!

これでフィニッシュとします。

 

 

 

オーバーフローして油量調整。

そして最後、SSTを取り外した後に今一度フルード調整をする必要があります。

その辺りは「要領書」に書いておきました。

早く完成させておかねば・・・

飲んだアルコールが翌朝抜けて行くのと同時に、私の記憶は何処かへと垂れ流されて消失して行っている様なので。

 

 

 

あ、そうそう。

取り外したマフラーボルトには必ずスレッドコンパウンドを塗布しておき、今後の焼き付きを防いでおります。

 

 

 

 

この度は遠方よりありがとうございました。

 

おかげさまで、

今回作業をさせて頂いた事で、メルセデスベンツハイブリッドでの圧送交換要領書も完成します。

 

これがあれば、今後全国あちらこちらで圧送交換が可能になります。

 

 

 

 

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(1) フリークでは、密閉式ミッションの圧送交換が出来る様、様々なアタッチメントを製作・販売しております。メーカーから提供されていないストレーナーや、長期欠品しているストレーナーの在庫も出来る限り取り揃えています。商品一覧はこちらです → F-PETシリーズ

 

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