人狼ゲーム デスゲームの運営人
小越勇輝、中島健、ウチクリ内倉、花柳のぞみ、坂ノ上茜、桃果、朝倉ふゆな、森山晃帆、星れいら、山之内すず他
90点
人狼ゲームの「運営者」側の視点を中心に物語が進行する斬新な手法である。ただ、その結果、人狼ゲームそのもののスリルには欠けるのが残念だ。
途中で、だれがどの「役職」なのかすべて明らかになってしまう。これは「刑事コロンボ」の冒頭で「最初から犯人が分かってしまう」手法に近い。
普通の推理小説は「犯人捜し」に知恵を絞るのがだいご味だが、「刑事コロンボ」の場合、視聴者にはすでにわかっている犯人をどのようにコロンボが「追い詰める」のかという「手法」にスポットが当たる。
本作も、「役職」がすでに視聴者にわかっている中で、「どのように嘘をつくのか」に焦点が当たっている。
主人公の、かつての「教え子」を守ろうとする動機に全く説得力がないところが残念だ。
ただ、ラストの「オリエント急行殺人事件」に近い、どんでん返しはよくできていると思う。かなりひねりが効いている。
残念なのは尻切れトンボのような終わり方だ。含みを持たせた終わり方ともいえるが、「謎解き」が物語の中心であるだけに、「あれっ」という感じがするのは否めない。