■露宇戦争の落しどころ | ◎ 浮輪浮遊録 ◎

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★「では、どうするか」が、視点のブログです。/ ★ 更新:【 第2 水曜 】、他・随時更新。(2010年9月15日 開設)

 

◆関係国の本音

旧ワルシャワ条約加盟国や旧ソ連構成国の中には、ロシアの疲弊困窮を望む国が少なくありません。

露宇戦争で最悪、ロシアが勝利したとしてもロシアが惨憺たる状況になるのであれば良しとしたいところです。

問題は露宇両国は東スラブの、ロシア、ウクライナ、ベラルーシという欧露三国としてスラブ圏で重きをなしていることです。

この三国の困ったところは、国家体制の腐敗が甚だしいことにあります。

要するに助けるに値しないものの、無視できる規模は遥かに超えています。

なお、ポーランドは亡失領土を露宇両国に残しているため、両国の疲弊は望むところです。

◆ロシアの侵攻を防ぐには

バルト三国が旧ソ連崩壊後にNATO加盟を急いだことはロシア周辺国として良い選択でした。

しかしながら、現在のウクライナがこれに倣いたいものの、この国は名にし負う腐敗国家で、直ちにNATO加入は困難です。

そこで、NATO加盟とは別に、カザフ等に駐留した米軍に倣い有力国によるウクライナ駐留を実現しつつ、国連軍による停戦監視駐留軍の配備を目指したいものです。

そのためには、露宇双方がともに停戦を受け入れざるを得ない程度の疲弊も止むを得ません。

◆露宇戦争停戦と国連停戦監視軍配備はあるか

露宇両国がさらに疲弊し、停戦を欲することが終わりの始まりとなります。

この場合、どちらかが勝つことは問題ではありません。
仮にロシアがウクライナ領内に留まりつつ停戦をした場合は、対露制裁を続ける根拠になります。そしてこれはロシアのさらなる疲弊を加速させます。

なお、ウクライナ側からみれば、NATO加盟は叶わぬにしても、停戦後の国連停戦監視軍の駐留は当面の盾となります。

NATO諸国としても、腐敗国家ウクライナの早期加盟は避けるとともに、援助の底なし沼から脱する端緒としたいところです。

◆ポーランドの野望

可能性は無きに等しいもののウクライナが援助物資横流しを根絶し「真面目に戦い」対露優勢を築いた場合を考えたいと思います。
ウクライナの優勢に対しロシアが錯乱し戦術核や一部NATO加盟国領を攻撃した場合、NATOが戦端を開く可能性があります。

これはポーランドにとっては、絶好の対露報復の機会となります。
露宇両国に残したポーランド亡失領土の回復への兆しとしたいところです。

◆プーチン後のロシア

古今東西、古より、独裁者が専門外に口を出すと国は滅びます。
独裁者を諫める勢力が無いことの恐ろしさがここにあります。

さて、プーチン氏は名誉不名誉を問わず、いずれ去りゆきます。
その時のロシアが故ゴルバチョフ氏のように現実的な人士であれば、ウクライナを手放すことと引き換えに、欧州ガス管路を復活等によりロシア国力の挽回を図ることでしょう。

プーチン氏が一時のウクライナと引き換えに、西欧ガス管路を水泡に帰しロシアを疲弊させたことは、同国史に大きな汚点として残ることでしょう。

 

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