おにぎりの使い道 | ★★片想い10年ロック★★

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ハッピー片想いは片想いをたしなむための作法です。

 

フィクションです。

 

 

私の好きな人は

自分がひとつしか

 

おにぎりを持って

いないときでも

 

困っている人に

躊躇なくおにぎり

渡せる人でした。

 

そういう人だから

好きになったわけでは

ないのだけれど。

 

ずっと見ていたら

そういう人だと

知る機会に遭遇した。

 

好きな人の影響で

私も少しずつ誰かに

 

おにぎりをわけられる

人になりたいと

考えられるようになった。

 

実際にわけられることも

あったとは思う。

 

ただ私はそこまで

覚悟もできていないし

人間もできていない。

 

自分の分がひとつ

確保できていて

 

家族や周りの大切な人も

おにぎりを持っていて

 

その上で自分がおにぎりを

ふたつ持っていたら

 

ひとつは誰かに

差し出せるといった程度。

 

自分がひとつしか

持っていないのに

 

家族や大切な人の手にも

余裕がないときに

 

別の誰かにおにぎりを

「はい、どうぞ」とは

できないと思う。

 

********

 

私の好きになった人は

困っているのなら

 

誰にでもおにぎりを

渡せる人だった。

 

そういう人には自然と

おにぎりが集まってくる。

 

みたいだ。

 

たくさんおにぎりがあれば

困っている人にどんどん

おにぎりを渡していっても

 

まだあるから次の人にも

おにぎりを渡せる。

 

自分の分を確保しようと

しない人でもちゃんと

自分の分も残る。

 

そうしてくれていたら

私も自分の分を

差し出そうかと迷わず

 

自分の分は自分で

持っていられると思う。

 

私の器の小ささは

好きな人や家族や

大切な人になら

 

自分の分でも

渡せるというところ。