自分が遅いのか世の中が早いのか隘路は続く。
かつての上司に「隘路」と言う言葉を教えてもらった。
ほとんど使われないと思うが「隘路」とは「狭くて通行の困難な道」「物事を進める上で妨げとなるものや条件、支障、難点、ネック」だそうだ。
調剤報酬そのものは複雑な仕組みではない。
ところが、その報酬のあり方は改定ごとに複雑になりつつある。
それだけ業務が多様化しているってことのようだ。
その多様化にデジタル化が加わるとより面倒になる。
今回の調剤報酬改定は政策的な誘導を強く感じさせる。
先ずは「地域支援体制加算」である。
この報酬は2015年に出来た「患者のための薬局ビジョン」を報酬として評価していると思われる。
その目指すところは2025年までに形づける“地域包括ケアシステム”である。
この課題は必須となる。
ただ、今回はマイナス7点となった。
この意味は大きい。
今後、「地域支援体制加算」の報酬が引き上げるになる期待は薄い。
すでに算定している薬局は維持が必要になり、算定できていない薬局は努力なしでは存続が難しい仕組みになる。
いわゆる”はしご外し”である。
次に「連携強化加算」は国の責任逃れに対する予防線のようだ。
いつ起こるか分からない新興感染症や災害への呼びかけである。
国は事前対策を行っていたとの言い訳が出来る。
これは地味に続く報酬になる。
はっきり言ってあまり意味がないような気がする。
そして「医療DX推進体制整備加算」はこれからのデジタル化への誘導となる。
ついて行けない医療機関は自然消滅になる。
ただ、現状では進行があまりにも遅い。
どの時点かで「療養担当規則」に「原則義務化」が始まる。
高齢者の私にとっては最大の「隘路」になる。
正直なところ私はあきらめムードが先行している。
この他にも在宅が重視される。
何と言っても85歳以上の高齢者が急増する。
それとがんの患者の自宅療養が増える。
在宅における終末期医療への取り組みが必須となってくる。
それだけではない。
医療的ケア児への対応もマスコミ等でクローズアップされつつある。
医療のあり方も多様化しつつある。
3月25日に第3回の「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」が開催された。
夜間・休日等の薬局の対応に苦言があった。
必要な薬に対応できる薬局が少ないとのことだ。
時代のニーズに対応するのは難しい。
ひとつの時代から脱皮しようとしている薬局の在り方を感じさせる。
何となくため息が漏れる。
実際臨床で夜中に薬剤師が走らなければいけない状況がどれだけあるでしょうか?25年やっていって数回あったかな?
ほとんどは患者が熱を出したから坐薬届けろとかでしたが・・今は医師も訪問看護さんも事前に予測してレスキュー麻薬も含め薬品を事前に用意させてくれるのでほとんどなくなりました。(予測もできない医者もいるけど)
あとは今、残業してるから処方せん持って帰りに寄るので開けて待ってろとかあったな^_^;
有識者が何を考えて夜間休日を「義務化」みたいに言うのか?○○町で夜中に開いてる薬局みつけて感動したのか?そこは昼やってないんだよ!うちの店の辺りではタヌキかキツネが処方せん持ってこない限り誰も来ないですよ(あとは強盗)
夜中に(寝られないから睡眠薬を)処方せんも発行せずに届けに行けとか、在庫が無いのは薬局のせいとか、まともな在宅医なら言わないと思います。(まともじゃない方が多いけど)
どーなっちゃうんだろうねぇ〜
それよりも医師だけではない。薬剤師や看護師、医療事務員、介護職員みんな同じようなもの。
頼み事や責任問題など都合のいい時だけ薬剤師は先生と呼ばれる。
昔から腹が立っていたが最近はどうでもよくなった。
これは職能がどうという問題ではない。
人間ってこんなもんだろ?
そんなことはないと思います。
診療所だって在宅専門じゃないところは夜間・休日の対応はしません。
在宅専門の薬局は夜間・休日も対応しています。
それは薬局における業態じゃないかと思います。
何でも”十把一絡げ”の議論は困ります。
そこに出席している薬局側の意見はどうなっているのでしょうかねぇ~。
因みに、対応しないって言うのはどんな状態を言っているのでしょうか。
電話に出ないとかでしょうか。
処方箋を断るってことでしょうか。
その点もはっきりして欲しいです。