【天皇賞(春)】就職氷河期 | 魂剣石をも切る

魂剣石をも切る

世に灯篭切りといふ。江戸時代剣聖とうたわれし一文字流神泉正宗が家康に請われ一度だけ御前にて石灯篭を一刀両断。以来三百余年剣道界に於いて幻の業とされこれを極めたるものなし。不可能を可能とする意の“魂剣石をも切る”といふことわざはこれをいふなり。

2024年4月28日 天皇賞(春)




記憶に残る天皇賞(春)のひとつに

有効求人倍率が1.0を下回り

13年2ヶ月に渡る就職氷河期が始まった年

1992年4月26日



この年は週末を向かえる前から

世紀の対決

そう呼ばれ紙面を賑わせる天皇賞だった



怪我により三冠最終の菊花賞に

出走が叶わず

父シンボリルドルフに並ぶ

無敗の三冠馬に挑戦できなかった

トウカイテイオー

10ヶ月振りの実戦・大阪杯を

痺れるような完勝

鞍上は父と同じ岡部幸雄騎手



その相手に前年にメジロの悲願

親子三代での制覇を成し遂げた

天皇賞(春)勝ち馬

メジロマックイーン

前年秋の降着に始まる不完全燃焼を

払拭する勝ちっぷりで

阪神大賞典を制して迎える天皇賞



今とは違い

まだ内国産種牡馬の成功は一握り

そういう時代に

天皇賞という舞台でぶつかる2頭


3番人気のイブキマイカグラが

18.2倍

完全に2強ムードだった



馬券を買えない年齢の自分たちも

盛り上がっていた


結果は

「強がるわけじゃなく

 意識はしませんでした」

とレース後答えた

盛り上がる世間を横目に冷静だった

武豊騎手


メジロマックイーンを連覇に導き

自身は天皇賞(春)4連覇という偉業を

成し遂げる


残念ながら2頭とも

このレースの後に故障


産駒も天皇賞を制することはなかった



就職氷河期の内国産馬の時代では

血統のロマンを見たレースだった



2024年の天皇賞(春)は

サヴォーナ


前走の敗因は道悪

神戸新聞杯や日経新春杯で馬券になっていて

時計が速くなればチャンスは広がる