こだわり
WHOLE
(2019年/日本/44分)
監督:川添ビイラル
【ストーリー】
海外の大学に通うハーフの青年・春樹は学校を辞め、自分の居場所を見つけるため、生まれ故郷の日本に帰国する。日本に着くと周囲からは変わったものを見るような目で見られ、久々に会った両親にも理解してもらえない。そんなある日、春樹は建設作業員として働きながら団地で母親と暮らすハーフの青年・誠と出会う。「ハーフ」と呼ばれることを嫌って「ダブル」と訂正する春樹とは違って上手くやっているように見える誠だったが、実は会ったこともない父親と向き合うことができず葛藤していた。春樹と誠は様々な出来事を通して友情を深め、「HALF(半分)」から「WHOLE(全部)」になる旅に出る。
【かんそう】
大阪アジアン映画祭でジャパン・カッツアワード スペシャルメンションを受賞した作品です。
…どういう賞なのかは今ひとつよくわかっていないのですが…
1時間に満たない中編でしたが、うまくまとまっていたように思いました。
彼らの人生は続くわけですから、ラストにスパッと答えが出るわけでもなく…
「ハーフ」という言葉を嫌い「ダブル」という春樹と「俺は日本人や」と言う誠。
ハーフの方に「どこの国」みたいな直接的なことを聞いたことはないけれど、何気なしに聞いてしまう方も多いと思う…
私も、だけど、もしかしてそういうことを聞いちゃうかもしれない。
そして、彼らの気持ちも、わかるはずはないけれど、この作品を観たことで少しは気づくことができたかな。
そういえば、ハーフの方を主人公に据えて「ハーフ」について描かれた作品(邦画)って意外と思いつかないなぁ。
忘れているだけ?
アイヌモシリとかマイスモールランドとか立場は違えどアイデンティティを取り扱った作品は思いつくのですが…。
作品全体を通して、緩急が心地よく、誠と友人たちが関西弁で楽しそうに談笑しているシーンがとても自然で印象に残っています。
うりぼう4つ:
2022.8鑑賞
ありがとうございました