(1953年/日本/132分)
監督:亀井文夫
【ストーリー】
昭和7年冬、秋田の農民、喜作は単身北海道の炭鉱へ出稼ぎに行った。妻のサヨは夫の身を案じ二人の子供をつれて後を追う。しかし、そこでサヨは喜作が爆発で死んだと知らされる。気丈な彼女は、自ら炭鉱夫となって働き始める。様々な困難に遭いながら、子供を抱えた女ひとりの闘いは続いた。
やがて、終戦と共にヤマでは炭鉱労働者の権利拡大の闘いが始まる。それは彼女にとって更なる苦難の始まりだった。激突する資本家と労働者の闘いの渦の中で挫折していく息子。そこへ死んだはずの喜作が戻ってくる―。(amazonDVDさんより)
【かんそう】
【山田五十鈴と淡島千景を偲ぶ】特集が京都文化博物館で上映されました。
亀井文夫監督作品が観たくてこの作品だけ鑑賞。
そして、なぜかフルバージョンがYouTubeにアップされてますわ、これ…
前半と後半の展開がガラッと変わりますが、全編通してTHE☆労働者映画でした。
製作元の団体や監督が亀井文夫氏、というところを見れば、まあ、こういう感じになるかな、と。
そして、脚本に新藤兼人氏のお名前があったからかわかりませんが、ガチガチの労働者映画の中に、変にドラマチックな部分もあって退屈しませんでした。
文博のフィルムシアターで頂いた資料によると、原稿は現場に差し戻した後、現場の意見を反映させ練り上げられたそうです。
だからドキュメンタリータッチでもあったのですね。
この資料を読むとかなり力の入った製作だったことがわかります。
前半は山田五十鈴さん演じるサヨが全面に出ての「がんばる母ちゃん物語」でしたが、後半は「労働組合VS会社」という感じでした。
サヨたちにとって、なかなか厳しい状況が続くのですが、戦争中に金子という男性がサヨの家に出入りするようになる場面があります。
サヨが笑顔でりんごをうさぎの形に剥いてあげるシーンがあって、一瞬ですが、ささやかな幸せを感じるいいシーンでした
役者陣が意外と豪華で、脇役で北林谷栄さんが出てくるのですが、彼女は裏切りませんな
しっかり笑わせてくれました!!
見応えのある作品でおもしろかったです!
うりぼう4つ:
2022.8鑑賞
ありがとうございました